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文科省、理科の追加など全国的な学力調査の在り方を公開

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平成23年度以降の全国的な学力調査の在り方に関する検討のまとめ
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 文部科学省は3月31日、「平成23年度以降の全国的な学力調査の在り方に関する検討のまとめ」を公開した。

 文部科学省では、全国的に子ども達の学力状況を把握する「全国学力・学習状況調査」を平成19年度から実施している。今回発表になった資料は、これまでの調査を踏まえ、平成23年度以降の全国的な学力調査の在り方について検討されたものをまとめたもの。

 前回の平成22年度全国学力・学習状況調査の実施要領で定められた調査目的は、「義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力等を把握し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。また、学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる。」というもの。教育関係団体等では同調査の目的は極めて重要で、今後も調査を継続すべきと考えられているという。

 平成22年度の全国的学力調査においては、悉皆調査ではなく、抽出率約30%の抽出調査および希望利用方式に切り替えられた。

 調査目的のうち、今後は「教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する」という点に力点を置き、例えば、「経年変化の分析のための調査」「教育格差の分析および関連する施策の検証のための調査」「発達段階に応じた学力等の状況の変化を分析するための調査」といった新しい視点に立った調査について検討していくことが必要と考えられるという。

 調査対象学年については、小学校第6学年・中学校第3学年とし、4月下旬実施を基本とすることが適当と考えられるという。将来的には、高等学校段階における学力等の状況を把握し、全国的な学力調査が検討課題となることが考えられるが、検討に当たっては、大学入学試験との関係などの課題があるという。

 対象教科はこれまでの「国語」、「算数・数学」に、教科の追加を検討していくとし、問題作成に1年以上の期間を要すること等を考慮すれば、追加は早くとも、平成24年度調査からになるという。平成24年度からの追加は、「理科」とすることが適当であると考え、出題方法等については、問題作成の過程で検討するという。なお、「社会」「英語」については、望ましい調査問題の在り方などを含め、改めて検討するとしている。

 「理科」の追加を検討とした背景としては、次代を担う科学技術人材の育成が重要な課題となっており、新学習指導要領においては、理数教育の充実が図られたところであること、政府の新成長戦略においては「国際的な学習到達度調査において日本がトップレベルの順位となることを目指す」とされ、具体的な目標の実現のため、TIMSSの「理科」、PISAの「科学的リテラシー」と関係が深い「理科」を対象教科とすることは有意義であること等がある。「理科」の追加については、児童生徒や学校の負担増への配慮から、領域を限定して出題することや他の教科の調査時間等の見直しを検討する必要性などがあり、出題方法等については、問題作成の過程で検討するとしている。

 実施頻度については、当面、平成22年度調査の方式を継続する限りにおいては、「国語」「算数・数学」について、毎年の実施を続けることが適当であるとしている。「理科」を追加する場合は、3年に一度程度とすることが妥当とし、調査方式については、市町村や学校のニーズも考慮し、今後も継続的に検討する必要があるとしている。

 また、調査の実施においては、受験者や学校の負担を増やさずに、幅広い領域を多角的な側面から測定したり、諸外国の学力調査の取組状況等も踏まえつつ、研究開発を行う必要があるという。将来、全国的な学力調査が発展していくことに伴い、調査の実施体制の充実確保、専門的人材の育成、調査に関するリテラシー向上等に取り組むことが期待されるため、先ずは、保護者や教員等に向け作成するリーフレットの内容を充実すること等により、調査目的や調査設計の考え方に対し幅広い理解が得られるように努めることが重要であるという。

 なお、調査結果の取扱いに関する配慮として、「教育委員会や学校は、保護者等に対して域内の教育や学校の状況について説明責任を有していること」「序列化や過度の競争につながらないようにすること」などを当面の調査においても引き続き求めていく必要があるとしている。
《前田 有香》

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