【EDIX】保健室から学力向上を、生徒の生活習慣データを統計処理

 5月16日から3日間開催された教育ITソリューションEXPO(EDIX)に出展したシスメックスは、子どもの集中力や学習力に影響する血液中のヘモグロビン量を血液検査なしで推定できる装置「アストリム SU」を公開した。

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シスメックの展示ブース
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  • アストリム SUと結果データ(仮)
  • 結果データ(仮)
 5月16日から3日間開催された教育ITソリューションEXPO(EDIX)に出展したシスメックスは、子どもの集中力や学習力に影響する血液中のヘモグロビン量を血液検査なしで推定できる装置「アストリム SU」を公開した。子どもの生活習慣や栄養状態をデータ化することで、学校や地域別の比較も可能だという。

 シスメックスは、臨床検査機器や検査用試薬などの開発、製造、販売などを行う医療関連会社。近年の社会環境や家庭環境の変化により、子どもの生活習慣が乱れ、体力や学習意欲の低下につながっていることを懸念し、指先だけでヘモグロビン測定を行える機器を開発した。

 東海大学が2008年から2011年にかけて行った小・中・高校生対象の調査で明らかになったのが、血液中ヘモグロビン値の向上による、生徒の出席率の上昇、問題行動の減少、テストにおける欠点総数の減少だ。アストリム SUの導入により、保健室で生徒のヘモグロビン値を測定し、生徒に的確な改善方法などをアドバイスすることで、生徒の成績アップにもつながるという。

 アストリム SUで測定したヘモグロビン値は、その場で印刷することができ、生活習慣の良いところ、改善すべきところなどを先生、保護者などと共有することができる。また、測定データは記録され、他校、他地域と比較することも可能になるという。

 生活環境は、子どもの学力に影響を及ぼすと理解していても、継続的な数値や具体的な改善方法がわからない保護者が多いのが現状ではないだろうか。統計データーを蓄積することによって、学校や地域別の比較だけでなく、学力との比較なども可能になるだろう。

 現在はまだデータ管理ソフトなどの商品化中で、学校への導入にはまだ時間がかかるというが、学生が成績表とともに生活習慣や健康状態などを示した体調管理表を家に持ち帰る日も近いかもしれない。
《湯浅大資》

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