離れて暮らす親との連絡にネット利用5割…広がる「デジタル親孝行」

 NTTコミュニケーションズは9月3日、「親子間のデジタル・コミュニケーション」をテーマにした調査結果を公表した。離れて暮らす親とのコミュニケーション手段にインターネットを活用する人は50%で、このうち33.2%が一定の頻度で親に写真を送る習慣があることがわかった。

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離れて暮らす親とのコミュニケーション手段
  • 離れて暮らす親とのコミュニケーション手段
  • 日常的に親に写真を送る頻度
  • デジタル派が親に写真を送る理由(複数回答)
 NTTコミュニケーションズは9月3日、「親子間のデジタル・コミュニケーション」をテーマにした調査結果を公表した。離れて暮らす親とのコミュニケーション手段にインターネットを活用する人は50%で、このうち33.2%が一定の頻度で親に写真を送る習慣があることがわかった。

 同調査は、お茶の水女子大学大学院で家族社会学を専門に研究する石井クンツ昌子教授監修のもと、両親と離れて暮らす全国の30歳から49歳までの男女計1,000名を対象に、2012年8月18日~8月19日にWEBアンケート方式で実施した。

 コミュニケーション手段でデジタルがどの程度活用されているかについて、離れて暮らす親に手紙を送ったり、固定電話で会話をするといった手段を「アナログ手段」、パソコンや携帯のメールを使ったり、インターネット通話を活用する手段を「デジタル手段」と定義して分類した結果、「デジタル手段のみ」を活用している人(デジタル派)が50.0%と最多で、「アナログ手段のみ」(アナログ派)の19.3%や「アナログとデジタルを併用」の28.4%を大きく上回った。

 日常的に親に写真を送る頻度について、「頻繁にある」「たまにある」と答えたデジタル派の割合は33.2%となり、3人に1人が一定の頻度で親に写真を送る習慣があることがわかった。これは、アナログ派の21.6%よりも高い割合となっている。なお、デジタル派が親に写真を送る理由のトップは「親が喜ぶから」77.7%で、次いで「情報を簡潔に伝えられるから」37.3%、「情報を詳しく伝えられるから」25.3%だった。

 これらの調査結果から読み取れる新しい親孝行スタイルの出現について石井教授は、「シニア層である親の生活を、デジタルツールでより豊かにしようとする親孝行が増えています。数年前は機器を設定してあげたり、便利なサービスを紹介するといった段階でしたが、最近ではそれを経て、孫の写真をメールで頻繁に送るなど、日頃のコミュニケーションを通じた親孝行に移行していることが今回の調査から読み取れます。家族の絆の大切さが再認識されている昨今は、離れている距離をデジタルで補い、思いやりもデジタルで共有できる時代です。また親孝行は、物をプレゼントするといったことより、コミュニケーションを頻繁にとるなど、間接的に思いやりが伝わる手段の方が、より親に気持ちを伝える効果が高いことが実証されています。こうした親とのコミュニケーションにおける「デジタル親孝行」は非常に有効な「いまどきの親孝行」のカタチであり、社会のインフラのデジタル化が進み、シニア層がさらにデジタル機器やサービスを使いこなすようになるに従って、今後さらに増えていくことが予想されます。」と解説している。
《工藤めぐみ》

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