合格後の成長を見据え「自分のトップ校」をめざす、栄光ゼミナール

 全国約400教室の学習塾・進学塾を展開する栄光ゼミナールは、顧客満足度調査で決定する「イード・アワード2012 塾」の「中学部 集団指導」において最優秀賞を獲得。また同塾の個別指導サービス「ビザビ」も「中学部 個別指導」で部門賞を受賞した。

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栄光取締役 鈴木圭二氏
  • 栄光取締役 鈴木圭二氏
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  • 自分の目標を設定する「だすぞ自己ベスト」シート
  • 公立トップ高校の受験併願モデル
 全国約420教室の学習塾・進学塾を展開する栄光ゼミナールは、顧客満足度調査で決定する「イード・アワード2012 塾」の「中学部 集団指導」において最優秀賞を獲得。また同塾の個別指導サービス「ビザビ」も「中学部 個別指導」で部門賞を受賞した。2年連続の受賞となった今回は、高校受験対策や取組み、栄光ゼミナールの授業の特色などについて栄光の取締役 鈴木圭二氏に聞いた

--2度目となる最優秀賞おめでとうございます。まずは、受賞をどのように受け止めているかお聞かせください。

 ここ数年、塾業界では授業やサービスなどの品質向上が、生き残りのカギだと言われています。その意味で、生徒さんや保護者の方の評価というのは非常に重要です。社内では、塾の取り組みや方向性が間違っていなかったと皆喜んでいます。

--栄光ゼミナールのグループ指導と個別指導の概要と特徴について教えていただけますか。

鈴木氏:グループ指導の場合、大人数のクラスで生徒どうしを競い合わせるという手法もありますが、当社は少人数制のクラスを採用しています。1クラスの人数は、講師が生徒全員に手が届く範囲ということで、学年によって違うのですが、中学生の場合は12~16名の定員制としています。指導方針も、グループ指導だからといって画一的な授業ではなく、生徒一人一人の意欲や学力伸長にも配慮した指導を心がけています。

 また、栄光ゼミナールの特徴のひとつとして「ALPS(アルプス)」という学習システムがあります。ALPSは、Aim(狙い)、Lesson(授業)、Practice(練習)、Support(支援)の頭文字を意味し、授業はA・L・P・Sのサイクルを回しながら進んでいきます。まず、これから学ぶ単元や授業の目的や狙いをプリント等で確認します(A)。次に、授業や演習問題によってその内容を理解します(L)。その後、自分で復習するためのプリントが配布され、各自が反復練習を行います(P)。最後に1週間の成果を確認するため「単元確認テスト」を行い、その結果を分析して間違えた問題や弱点の類題の「個別確認テスト」を作成して、本当に理解できるまでをサポートします(S)。個別確認テストは、生徒一人一人に対して作成されます。

--生徒一人一人に個別の問題プリントが作成されるのですか。

鈴木氏:大量の問題をデータベース化しており、生徒一人一人が間違った問題の類題を抽出することで、個別の問題プリントを作成します。このシステムはCATS(Computer Assisted Training System)と読んでおり、15年以上前から採用しています。開始当時はインターネットなどあまり普及していなかったので、すべての教室にフロッピーディスクを配布してデータを更新したりしていました。いまはインターネットを利用して、個別確認テストを自宅のPCで印刷することも可能です。このCATSのマイページでは、授業のテキスト、テストの解説動画なども閲覧できるので、効果的な家庭学習を支援できるのではないでしょうか。

--個別指導の特色はどうですか。今回の部門別受賞では、「ビザビ」ブランドの教室が評価されました。

鈴木氏:個別指導は、生徒個人にフォーカスした授業はもちろんですが、中学受験、高校受験についてそれぞれの入試の専門家がカリキュラムづくりを担当するようになっています。しかし、当塾の方針では、受験だけが目的の勉強はしません。合格してからいかに成長できるかが重要だと思っています。「自分のトップ校」というのは、有名校を目指すということだけではなく、学んだ知識を生かし、自立的な学習が継続できる力を身に着けさせ、生徒の個性や目標にとって最適な学校に進み、そこで力を発揮できるようにするという意味が込められています。指導の年間スケジュールも、先ほどの専門家が組み立てます。スケジュールが個別に作成されるので、部活などとの両立も考えることができます。

 また、集団授業を受けている生徒も科目によって個別指導と組み合わせることもできるようになっています。科目によって得手不得手がある場合、さらに科目によってはグループ指導のほうが効果がでる生徒もいます。栄光ゼミナールでは、家庭ごとのニーズ、生徒ごとの学習スタイルに合わせた学びの提供を考えています。

 個別指導にもALPSサイクルは適用されるので、単元確認テストや個別確認テストも行われますが、授業ごとに報告書も作成しています。生徒の授業1回ごとに作成する報告書には、その日の学習内容、そのポイントや解法、宿題などを詳細に記述します。ご家庭にもお渡ししており、保護者は授業内容や進捗を確認できます。

--「自分のトップ校」とありましたが、高校別の受験コースなどはあるのでしょうか。

鈴木氏:特定の学校名を配したコースなどはありませんが、開成・慶應女子・難関選抜ゼミと志望校に合わせて週末に専門の対策講座を行っています。個別指導なら、当然に志望校を絞ったカリキュラムになることもあるでしょう。

--栄光ゼミナールは、安全に配慮した塾としても認知されています。安全への取り組みについてお聞かせください。

鈴木氏:ICカードによる入退室管理はご存知かと思いますが、駅の近くに教室を構えるというのも、通塾の利便性だけでなく防犯や災害時を考えてのことです。したがって、駅に近いからといって周辺の環境の悪いところには教室を作りません。講師は消防法に基づく防火管理者の資格を取るようにしています。不測の事態に備え、救急救命の講習を受けさせるといった取り組みもしています。震災以降は、飲料水と食糧の備蓄も各教室で行っています。

 生徒さんの個人情報の管理については、Pマークも取得しており、2011年11月にはISO 29990の認定を受けてました。ISO 29990は、学習サービス事業者の基本的な要求事項の基準を示した国際規格ですが、私塾で認定を受けたのはおそらく日本初だと思います。今年の2月には、全国に420ほど展開している教室すべてが認証塾となりました。

 安全対策とは少し離れますが、教室の大きさ、机、いす、照明などにもこだわっています。また、生徒が自由に使える自習室(i-cot)も用意しており、生徒の学習習慣の形成に役立てています。これらの取り組みも、生徒さんたちに自然と勉強したくなるような環境づくりが重要だと思っているからです。

--今後予定しているような新しいサービスやコースなどはありますか。

鈴木氏:サービスを開始したばかりですが、先ほど紹介したCATSマイページというサービスを始めています。CATSマイページは、保護者向けに生徒さんの個別ページを提供し、テスト結果や授業内容、学習状況などの情報にアクセスすることができます。塾生ならば、無料でアカウントを提供しており、受験情報の発信なども行っています。マイページでは、先ほど紹介した個別確認テストを家庭のプリンタで出力したり、毎月の月謝の確認もできます。月謝は、カリキュラムや教材によって変動することがあるのでこのような機能も用意しました。

 ただし、マイページは始めたばかりなので、今後もどんどん改良して使いやすくしていきたいと思っています。現状ではPCでの閲覧を前提としたページデザインですが、スマートフォンやタブレットでの閲覧ニーズにも対応する必要も出てくると思います。また、生徒さんに積極的に使ってもらうように、ポイント制度のようなものやアイテムを取得するようなゲーミフィケーションの要素など採り入れると面白いかもしれません。サービスの反応をみながら改善していきたいと思っています。

--ありがとうございました。

 リセマムは、2012年10月31日~11月13日、小学生、中学生、高校生および大学受験生のお子さんを持つ保護者を対象に、塾・予備校の顧客満足度調査を実施し、「イード・アワード2012 塾」として12月に発表。栄光ゼミナールは、「中学部」集団指導部門で総合満足度最優秀、栄光ゼミナール[ビザビ]が「中学部」個別指導部門での「講師の質が良い塾」「子どもが好きな塾」「安全な塾」「受験・進学情報充実の塾」の各部門賞を受賞した。

◆イード・アワード2012 塾
 >>> http://resemom.jp/feature/juku-award2012/
《中尾真二》

中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。エレクトロニクス、コンピュータの専門知識を活かし、セキュリティ、オートモーティブ、教育関係と幅広いメディアで取材・執筆活動を展開。ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から使っている。

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