北大とNTTが基幹ネットワーク機器のトラブル回避に向けた新技術を開発

 日本電信電話(NTT)と北海道大学は21日、将来的に発生が予測される「宇宙線(中性子)による基幹ネットワーク機器のトラブル」、いわゆる「ソフトエラー」の再現実験を実施するとともに、事前対処を可能にする試験技術を確立したことを発表した。

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ソフトエラー発生のメカニズム(イメージ)
  • ソフトエラー発生のメカニズム(イメージ)
  • 実験概要
 日本電信電話(NTT)と北海道大学は21日、将来的に発生が予測される「宇宙線(中性子)による基幹ネットワーク機器のトラブル」、いわゆる「ソフトエラー」の再現実験を実施するとともに、事前対処を可能にする試験技術を確立したことを発表した。

 情報通信機器では、半導体デバイスの高集積化・細密化が進んでいるが、それにともない、宇宙線由来の中性子線、材料中の不純物に起因するα線などの、微細な要素で発生する「ソフトエラー」の可能性が課題となりつつある。とくに基幹ネットワーク機器は、インターネット回線、電話回線にも使われており、ソフトエラーへの将来的な対処が望まれていた。

 今回NTTと北大は、北大所有の小型加速器中性子源を用い、故障が懸念される高機能・高性能の基幹ネットワーク機器などについて、実験を行い、照射実験結果と、これまで用いていたソフトエラー発生率のシミュレーション結果がほぼ一致していることを確認。これにより、新規導入前の情報通信機器のソフトエラー発生率を正確に予測し必要な対処を事前に行うことを可能とした。

 この新技術では、実際に使われる前にその故障発生率を予測できるだけでなく、ソフトエラーが発生することを前提とした、エラー検出や運用対処の効率的な確認が可能となる見込み。

NTTと北大、“宇宙線による情報通信トラブル”を防ぐ技術を開発

《冨岡晶@RBB TODAY》

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