ミニ四駆のようにプログラミングを感じてほしい…「前田ブロック」の前田靖幸氏

 ユビキタスエンターテインメントが提唱する、手書き入力に特化したタブレット型コンピュータ「enchantMOON」。本機はまたビジュアルプログラミング言語「前田ブロック」でプログラミングしたアプリを動かし、機能をカスタマイズできるという特徴も備えています。

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プログラミングをミニ四駆のような、子どもから大人まで楽しめるホビーにしたい・・・「前田ブロック」の生みの親が語った
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ユビキタスエンターテインメントが提唱する、手書き入力に特化したタブレット型コンピュータ「enchantMOON(エンチャント・ムーン)」。本機はまたビジュアルプログラミング言語「前田ブロック」でプログラミングしたアプリを動かし、機能をカスタマイズできるという特徴も備えています。

その生みの親が同社CHO(クリエィティブ・ホビー・オフィサー)の前田靖幸氏。前田氏は元タミヤでRCカーや、ミニ四駆、さらには「楽しい工作シリーズ」などの商品開発に携わった経歴の持ち主です(往年のRCカーファンには「タミヤの前ちゃん」でおなじみでしょう)。4月23日に行われたenchantMOONの内覧会では、その前田氏より「前田ブロック」のプレゼンテーションやデモが行われました。

前田氏が明かしたのは、ミニ四駆と前田ブロックの意外な共通点です。タミヤ時代にRCカーなどの企画開発に携わっていた前田氏は、当時模型業界でスケールモデル離れが進んでいたことや、子供たちの自動車に対する憧れが変化していた風潮について語りました。その上でハイエンド志向のRCカーに対して、新たに低年齢層向けにムーブメントを起こすような商材=ミニ四駆の登場が求められていたと説明しました。

その結果、RCカーのジオメトリ調整やドライビング技術といったマニアックな要素を廃して、チューニングとセッティングだけに焦点を当て、子どものお小遣いで買える価格帯の商材として開発されたのがミニ四駆です。漫画などのタイアップや競技会の開催など、巧みなプロデュースも相まって、社会現象を巻き起こすことに成功しました。

ミニ四駆の成功要因として、しばしばメディアなどで▽子ども目線による展開▽計画的な新規マシン、グレードアップパーツの展開▽子どもと大人が一緒に楽しめる(大人が存在意義を示せる)商材▽公認・限定・レギュレーションの徹底ーーなどが語られると前田氏は説明します。

しかし、実際は「子ども向けなどと考えたことは一度もなく、むしろ大人と子どもの真剣勝負だった」のが実情でした。新規マシンやグレードアップパーツもブームに追い立てられるように、次から次へと適応的に(=場当たり的に)開発していた側面が大きかったとのこと。中でも重要なのは「決して子ども扱いをしない」(そして極力「お金のにおいを出さない」)ことでした。

前田ブロックもミニ四駆と同じで、プログラミングのマニアックな部分をそぎ落とし、パーツ(ブロック)のカスタマイズだけで誰もがアプリを作れる環境を提示した・・・前田氏はこのように説明します。コードを書く必要はなく、機能ごとに独立したブロックを組み合わせてアルゴリズムを作り、細部をメニューなどで選択すればOK。ブラウザだけで開発でき、コンパイルすることなく、すぐに結果もわかります。

50名近くのプレスが見守る中、わずか数分で画面にキャラクターを表示させ、ちょっとしたインタラクションが可能なプログラムを記述した前田氏。ミニ四駆と前田ブロックには▽すぐ走らせられる▽だんだんパーツの使い方が分かる▽リトライが感覚的にも用意▽できあがり(実行内容)をみるだけで気持ちが高ぶる▽大人と子どもの真剣勝負▽視覚的にクリエイティブが感じられるーーといった共通要素があると示しました。

「前田ブロックを通して、子どもにプログラマが格好いい存在だと啓蒙したい」前田氏はそんなふうに語ります。仕事柄、少年誌の編集部とのつきあいも多いという前田氏は、プログラマが子供たちの憧れの存在でなくなっているというのです。文字通り「ホビーパソコン」全盛期だった80年代、子供たちはゲーム作りを通してプログラミングを学び、その中から多数のゲーム開発者が誕生してきました。再びプログラミングをホビーにできるか、期待しましょう。

プログラミングをミニ四駆のような、子どもから大人まで楽しめるホビーにしたい・・・「前田ブロック」の生みの親が語った

《小野憲史@INSIDE》

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