【高校野球】夏の甲子園2013「最高のプレー」3日目の結果と4日目の見どころ

 高知、山梨、群馬で40度を超す猛暑となった8月10日、大会3日目迎えた甲子園では、今大会初の満塁打が飛び出すなど熱戦が繰り広げられた。第4試合で、1回戦注目の好カードとなった仙台育英と浦和学院は、白熱した試合となった。

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  • 3日目の試合結果(日本高等学校野球連盟)
 高知、山梨、群馬で40度を超す猛暑となった8月10日、大会3日目迎えた甲子園では、今大会初の満塁打が飛び出すなど熱戦が繰り広げられた。第4試合で、1回戦注目の好カードとなった仙台育英と浦和学院は、白熱した試合となった。4日目の見どころとあわせて見ていこう。

【第1試合】星陵(石川)5-12鳴門(徳島)
 序盤は双方ともチャンスの場面を作るも、走塁ミスや攻撃ミスが目立ち得点に結びつかず我慢の野球が続いた。5回裏、鳴門が先制するとゲームが動いた。星陵に1点を返された7回裏、鳴門の攻撃1死満塁で2番甲本選手が走者一掃の適時3塁打で3点を追加、4番伊勢選手の適時打で1点を加え、続く2死満塁の場面で7番松本選手が今大会初となる満塁本塁打を放ち流れが鳴門に。8回に3点を追加された星陵が、9回最後の攻撃で北村選手の3点本塁打などで4点を返し粘りを見せたが、力及ばず初戦敗退となった。

【第2試合】作新学院(栃木)17-5桜井(奈良)
 3年連続8強を狙う作新学院は、相手のミスを見逃さない攻める野球で序盤から得点を稼いだ。さらには7盗塁を決めるなど相手の隙をつく戦いで17点という大量得点で桜井を突き放した。対する桜井は4回に木下選手が大会15号となる3点本塁打を放ち3点差と詰め寄り、また差を広げられるも、9回に2点を取り返す粘りの野球を見せた。

【第3試合】帯広大谷(北北海道)3-4福井商(福井)
 福井商は初出場の帯広大谷に逆転勝利し、3年ぶりの初勝利となった。1対1の同点の攻防を見せたが、1点を追いかける8回に3点を返され、勝ち越しに成功。帯広大谷は初出場とは思えない攻めの野球で、9回に1点を返すも届かず初戦突破はならなかった。

【第4試合】浦和学院(埼玉)10-11x仙台育英(宮城)
 1回戦注目のカードはその名のとおり白熱した戦いに。点取りゲームとなったこのカードで、野球の神様が微笑んだのは仙台育英だった。浦和学院は1回裏に四球を4つ、死球を1つ出し6点を与え、5点を追う展開に。しかし3回に相手の隙をつく攻撃で同点に追い上げ、8番小島投手がライト前適時打を放ち、勝ち越しこの回8点をあげ逆転。流れを取り戻したかに見えた。仙台育英は後半疲れの見えた小島を6回に捉え、9回、2死一塁で交代した山口から熊谷が適時二塁打を放ってサヨナラ勝ちで初戦を突破した。大歓声の中マウンドを降りた小島のベンチでの涙が印象的だった。

 11日第1試合の上田西(長野)は春夏通じて初出場。連続出場を狙った佐久長聖を柳沢と浦野の継投で完封した。対する木更津総合(千葉)は2年連続4回目の出場。千葉大会連覇は15年ぶり。エース千葉投手はスライダー、カーブ、ドークを織り交ぜ打たせて取る投手だ。

 第2試合沖縄尚学(沖縄)は8年ぶり6回目の出場。春夏連続出場で全国制覇を2回経験している。対する福知山成美(京都)は5年ぶり4回目の出場となる。投手の仲村渠(なかんらかり)投手は球種を投げ分けながら投球を組み立てる馬力のある投手で、2試合連続完封勝利した。

 第3試合弘前学院聖愛(青森)は春夏通して初出場。創部13年目に手にした快挙だ。2年生の多いチームでエース小野投手が安定感と切れのある投球で相手を脅かす。対する玉野光南(岡山)は11年ぶり3回目の出場となる。岡山大会決勝では、選抜出場の関西に逆転勝ちを見せた。

 第4試合石見智翠館(島根)は8年ぶり8回目の出場。2009年に「江の川」から改称したが、新校名では初の甲子園となる。2年続けて決勝で敗れ挑んだ今回、雪辱を果たしての出場となった。対する西脇工(兵庫)は春夏通じて甲子園初出場となる。最速140km/hを誇る右腕の翁田投手は、制球力に優れた選手で今大会注目の選手の1人だ。

 今日の試合で印象的だったのは第1試合での出来事。5回表星陵の攻撃中、三塁強襲で左腕に痛みを訴える選手に一番に駆け寄ったのは三塁コーチャー星陵、木村選手。コールドスプレーで相手をいたわった。戦う相手という前に同じ野球を愛する同志ということが画面を通して伝わってきた「最高のプレー」だった。
《田邊良恵》

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