北海道教委、全国学力テスト下位の結果に「危機意識」持って取り組む

  北海道教育委員会は全国学力・学習状況調査の結果についてコメントを発表した。依然として全国平均正答率が低く、小学6年生の算数Bは都道府県別順位で最下位になった。今後は道民全体で危機意識を共有して学力向上の取り組みを加速させたい考え。

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 北海道教育委員会は全国学力・学習状況調査の結果についてコメントを発表した。依然として全国平均正答率が低く、小学6年生の算数Bは都道府県別順位で最下位になった。今後は道民全体で危機意識を共有して学力向上の取り組みを加速させたい考え。

 今年度の学力テストは4月24日に、公立小学校に通う6年生43,575人、中学3年生43,395人の計86,970人を対象に実施。小学校の平均正答率は、国語Aが60.4%、国語Bが46.4%、算数Aが74.9%、算数B54.0%。すべての教科において全国平均を2ポイント以上下回り、算数Bにおいては4.4ポイント下回り、全国最下位だった。4教科を合わせても全国45位となった。

 中学生の平均正答率は、国語Aが76.0%、国語Bが66.2%、数学Aが62.3%、数学Bが39.1%。4教科とも全国平均を0.4~2.4ポイントで下回り、全国38位だった。

 同委員会は、小中学校ともにどの教科も全国平均を下回った結果に、「厳しく受けとめている」とコメント。昨年度と比較して、小学校ではすべての教科で全国との差は縮小したが、算数Bに関しては依然として大きな差がある。中学校では、国語Aと数学Aは全国との差は縮小したが、昨年全国平均を上回っていた国語Bは1.2ポイント下回った。

 小学校では、知識・技能を活用するB問題で国語、算数ともに平均を3ポイント以上下回り、全国との差が大きく、無回答率が高いという問題点が浮き彫りになった。これについては、基礎学力を実生活の中で活用できなかったり、問題趣旨を十分に理解できず解答時間が不足していたりする子どもが多いことがわかった。

 同委員会が繰り返して言っているのが、「平均点そのもの」を追求するのではなく、「社会で自立するために最低限必要な学力」を保障しなくてはならいないということ。しかし、平均正答率が低いということは、「国が身に着けることが望ましいと考えている個別の学習内容」を全国に比べて十分に身につけさせていないことが事実であり、子どもたちの自立や地域社会の発展に関わる問題としている。

 今後は、各市町村教育委員会や学校とこれまで以上に連携。今年6月からスタートさせた「ほっかいどう『学力・体力向上運動』」を積極的に推進していく考えだ。
《田中志実》

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