やっぱり英語が大事…韓国の英語幼稚園とスマート英語教育

 幼少期の英語教育が韓国で注目されている。韓国だけでなく、世界を舞台に活躍できる子どもをそ育てようと、英語幼稚園やICT機器を活用したスマート英語教育の利用が盛んだ。

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 幼少期の英語教育が韓国で注目されている。韓国だけでなく、世界を舞台に活躍できる子どもをそ育てようと、英語幼稚園やICT機器を活用したスマート英語教育の利用が盛んだ。

 韓国では、少子化に伴い学校と教員の数を減らしており、塾も子どもの数が減って経営が大変だという話をよく聞く。それでも英語教育市場とスマート教育市場では、毎日のように新しいサービスが登場し、新規事業が増えている。小学校から大学まで英語力を重視し、就職するにも英語が大事な韓国において、ママたちが活用するサービスとは何だろうか。

◆富裕層は英語幼稚園を活用

 ネイティブスピーカーの先生と一緒に英語で遊ぶ英語幼稚園は、韓国の富裕層の間で人気を高めているという。先生1人当たりの担当園児数が少なく、学習効果の高さが大きな魅力だ。その一方で、授業料は年間100万円以上、普通の幼稚園の10倍以上。富裕層だけの人脈を作るためにわざわざ家から遠い英語幼稚園に通わせるママもいるという。

 韓国語で考えて英語に訳すのではなく、英語に英語で対応できるよう、生後3か月から5歳くらいまでの子どもを対象としたサービス「英語オリニジプ(子どもの家という意味)」も登場した。英語幼稚園の前に英語オリニジプにも通わせるほど英語教育競争がヒートアップしているようだ。

 英語保育園や英語幼稚園の次は英語で授業をする私立小学校と国際中学校、外国語高校または科学高校といった成績上位の子どもが全国から集まる特別な高校を経て、ソウル大学か米国のアイビーリーグを目指すのが韓国におけるエリートコース。

 特に名門とされるソウル地域の私立小学校は人気で、倍率6倍を超える。韓国の私立小学校は、お受験ではなく抽選で入学の可否が決定するのも特徴だ。不正入学、賄賂問題をなくすために導入された制度であるが、保護者は授業料の年間120万円より抽選会の結果を心配しているのが現状だ。

 国際中学校の評価も高い。韓国語以外を母国語とした児童生徒を対象としたインターナショナルスクールとは異なり、国際中学校は韓国人の子どもを対象に全科目を英語で教える特別な中学校。財閥ファミリーも通う名門学校という口コミも影響し、公立学校の英語教育では満足できず、すべての授業を英語で行う私立小学校や国際中学校の人気が高まっているようだ。

◆スマート英語教育も注目

 富裕層に限らず、幼少期に可能な限り英語に触れさせたいと思うママたちの望みは高く、ICTを活用したスマート英語教育も注目されている。教育庁が無料で提供する英語学習アプリや、100冊以上の英語絵本とアニメ・英語童謡を利用できるアプリ、月5,000円ほどで利用できるオンライン英会話などを利用し、ママたちは子どもが乳幼児の頃から英語に慣れるように試みる。

 PCやスマートフォンはもちろん、リビングルーム教育としてスマートTVも購入する傾向がある。スマートTVは、高画質、大画面、音声認識でテレビを動かせる機能性が特長だが、韓国では子どもの教育に必要なアプリがどれだけ揃っているかをアピールした方が売れるという。

 「ネット中毒になったらどうしよう」「モニターばかり見て目が悪くなったらどうしよう」「電磁波の影響で背が伸びなくなったらどうしよう」といった不安を抱えていたママたちも、実際に学習アプリを使ったスマート教育を試すことで、楽しく勉強するためのツールとして使うのであれば問題ないということをすでに体験している。

 既存のICT機器やサービスはもちろん、新たな商品やサービスへの期待も高い。タブレットPCを使いやすくし、長時間勉強しても疲れない学習机と椅子が注目されているのもその一例だ。背もたれではなく胸とひざ、ひじを支えるパッドがついているのが特徴で、椅子を逆さにして座るようなイメージだ。こうすると画面にタッチしようと前かがみになっても、胸を支えて体重を分散してくれるので、猫背になるのも防ぐことができるという。

◆手法は違っても目的は同じ、やっぱり英語が大事

 韓国における幼少期からの英語学習に対するママたちの熱意は高い。2015年までに全国の小中高校でタブレットPCとデジタル教科書を使える環境を整えることになっている韓国では、ICTの活用方法がすでに保護者に浸透している。

 英語でのコミュニケーション能力とICTの関連性は、日本国内でも大きく議論されている話題だが、韓国のスマート教育と英語教育は、日本のママにも参考になるのではないだろうか。

 韓国旅行のついでに韓国の英語教育を体験するのもお勧めだ。英語村や、江南駅にあるサムスン電子やキャリアのショールームに行けば、各種英語学習アプリを体験できるコーナーもある。金浦空港ロッテモールにある家電量販店にも、サムスン電子のタブレットPCを使い学習アプリを体験できるコーナーが設けられている。
《趙 章恩》

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