大学入学、保護者負担は増加傾向…奨学金や貯蓄切り崩しで対応

 受験から大学入学までにかかる費用は増加傾向にあり、予算以上の出費に奨学金申請や貯蓄切り崩しで対応している保護者が多い実態が、全国大学生活協同組合連合会が実施した「2013年度保護者に聞く新入生調査」の結果から明らかになった。

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入学までにかかった費用(12年比)
  • 入学までにかかった費用(12年比)
  • 住まい探しの費用内訳(08年比)
  • 実際の費用と予算
  • 経済面での対策
  • 予算と経済面の対策
  • 各費目の内容
 受験から大学入学までにかかる費用は増加傾向にあり、予算以上の出費に奨学金申請や貯蓄切り崩しで対応している保護者が多い実態が、全国大学生活協同組合連合会が実施した「2013年度保護者に聞く新入生調査」の結果から明らかになった。

 調査は、2013年に入学した学部新入生の保護者23,510人を対象に4~5月、郵送(一部手渡し)で実施した。

 受験から入学までにかかった費用は、自宅生の場合、国公立が111万6,500円(前年比2万7,900円増)、私立が138万円(前年比6万6,900円増)。下宿生の場合は、国公立が179万9,500円(前年比5万5,900円増)、私立が211万5,200円(前年比4万4,700円増)。前年と比較すると、受験料や授業料など大学への納付金の増加が大きく、合計金額でいずれも前年より増加傾向にある。

 私立では、専攻によって金額の差が大きく、下宿生の私立では、文系202万3,300円、理系225万7,500円、医歯薬系326万7,700円となっている。

 ただ、下宿生の住まい探し費用については、5年前と比較して国公立7万500円、私立3万5,300円減少しており、中期的には減少傾向にある。敷金、礼金、入館金のほか、住まい探しの交通費や滞在費も縮小傾向が続いている。

 なお、受験から入学までにかかった費用とは、受験料や交通費など出願や受験のための費用、大学への納付金、教科書や教材・パソコン購入費、住まい探しの費用、生活用品購入費、引っ越し代、4月分の生活費、お祝い返しなどが含まれている。

 実際にかかった費用を「ほぼ予算どおり」と感じた保護者は46.0%(自宅52.7%、下宿40.0%)、「予算より多かった」は42.5%(自宅31.5%、下宿52.6%)。下宿生の方が、保護者の負担感は大きく、「予想以上に必要なものがあった」も自宅生38.1%に対し、下宿生は45.1%と高かった。

 入学に際して経済面で行った対策では、「学資保険に入っていた」が最多の61.9%(自宅60.7%、下宿63.5%)、「奨学金を申請した(する)」が38.3%(自宅31.3%、下宿42.4%)、「貯蓄を切り崩した」が31.8%(自宅28.6%、下宿35.0%)だった。このほか、下宿生には「部屋代が安い住まいに決めた」(25.2%)、「価格が安いものを購入した」(24.6%)など、価格を意識した行動が多く見られた。

 「予算より出費が多かった」と感じた保護者では、「奨学金を申請した」(46.5%)や「貯金を切り崩した」(40.2%)が平均より10ポイント近く高かった。一方、「予算より少なかった」保護者の場合、「受験大学(学部)数を抑えた」(17.1%)や「入学金の複数納入を避けた」(10.1%)が平均より高かった。
《奥山直美》

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