【文科省】日本史必修で歴史・文化に対する教養を備えた人材育成を…1/7下村大臣会見

 下村博文文部科学大臣は1月7日の定例記者会見で昨年の振り返りと文科省の意気込み、日本史必修で歴史・文化に対する教養を備えた人材育成を、朝鮮学校の高校無償化へは学校教育法に適う学校を作りをすることなどについて発言した。

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下村文部科学大臣定例記者会見のようす
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 下村博文文部科学大臣は1月7日の定例記者会見で昨年の振り返りと文科省の意気込み、日本史必修で歴史・文化に対する教養を備えた人材育成を、朝鮮学校の高校無償化には学校教育法に適う学校作りが必要、などについて発言した。

◆1月7日のテーマ
昨年の振り返りと文科省の意気込み(0:11~)
官民ファンドで民間に200億円の協力仰ぐ(12:38~)
日本史必修で歴史・文化に対する教養を備えた人材育成を(15:01~)
朝鮮学校の高校無償化には「学校教育法に適う学校を作りを」(17:45~)(20:47~)
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・昨年の振り返りと文科省の意気込み
 昨年はアベノミクス効果で株価も1.5倍となり、いよいよ今年は国民が景気回復を実感として感じられるような年にしていかなければならないと内閣としての抱負を語り、それを支えていく人材育成をするために教育再生が内閣の最重要課題であると位置付けてきたことにより昨年はそれなりの成果・効果が出つつあると一定の評価をした。

 2014年度の概算要求においては財務省と厳しく対峙し、他省庁と比べ自主的な予算獲得としては文科省がもっとも多い比率を獲得した。納得のいく内容ではないものの、今年が名実ともに教育再生国会になるように取り組みたいとし、戦後手つかずになっている教育制度の根幹部分を具体的に法律案として国会に提出していくため、教育委員会制度改革、学制改革、大学ガバナンス改革など準備を進めていく方針とした。

 安倍首相と内閣が教育について大きな関心をもっているということは、文科省にとっては100年に一度のチャンスだと受け止め、教育財源確保のための施策を政府全体で共有できるような大きな流れを作っていきたいとし、「日本の教育・社会の発展のための今が千載一遇のチャンスだと捉え文科省一丸となって傾注していく」と述べた。

・官民ファンドで民間に200億円の協力仰ぐ
 ファンドの規模としては民間から200億円、そのうちトップ企業からは10億円レベルの協力を得たいとしている。それは学生のためだけでなく、海外に雄飛するような志をもった若者をバックアップすることはグローバル化を目指す企業にとっても有能な人材を確保するために必要だとし、下村大臣をはじめ職員が営業をしているところだ。

 アベノミクスの影響で株価が上がっていることや、財務省の協力により税額控除も決定したこと、また今までにはなかった取組みではあるが、外部から参与や嘱託としてのノウハウをもった人材を採用したことで、3月末までには目標に到達できるよう取り組んでいくと述べた。

・日本史必修で歴史・文化に対する教養を備えた人材育成を
 グローバル化が進む中、英語教育を小学生から導入する一方で日本人としてのアイデンティティを育てるために日本の歴史・文化に対する教養を備えた人材育成を同時にしていくことが必要である。

 高等学校の教育課程で日本史をどのように扱うかについては次期の学習指導要領改訂の大きな検討課題として位置付けており、大臣の考えとしては「東京・神奈川での実績を検証しながら全国に拡げていくことが望ましいと」述べ日本史必修に賛成の考えを示した。

 また教育課程の中で新教科の「公共」を入れることについても検討されており、高等学校の教育全体の中で見直しをしていくとし、中教審に諮問する用意があることを述べた。

・朝鮮学校の高校無償化には「学校教育法に適う学校を作りを」
 朝鮮学校については朝鮮総連との密接な関係があり、教育内容や財政にその内容が及んでいることなどから法令にもとづく学校の適正な運営という指定基準に適合するとは言えず、省令改正により指定の根拠となる規定を削除したことにより2013年2月20日付けで不指定処分を行った経緯があり、今後この処分を変更する予定はないとした。

 高校不指定処分が差別なのではないかとの指摘には、「北朝鮮との国交が回復することにより、また日本の教育制度の下で一方で独自性を活かしながら学校教育法の第1条に定める高校を目指し、自らを転換することにより、すぐにでも無償化の対象となる」と述べ、まったく差別には当てはまらないとした。

《田邊良恵》

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