中学生の母親の6割、子どもの薬の使い残しを似た症状で飲ませた経験あり

 製薬企業らが組織する、くすりの適正使用協議会は、中学生の母親を対象に「医薬品の適正使用に関する意識・知識調査」を実施。6割以上の母親が、過去に子どもがもらった薬の使い残しを似た症状で飲ませ経験があるなど、「薬の適正使用」が十分でない実態が明らかになった。

生活・健康 健康
服用方法を記載した説明書を子どもに渡し、自分で読ませて使用させている
  • 服用方法を記載した説明書を子どもに渡し、自分で読ませて使用させている
  • 親が病院・調剤薬局でもらった薬を、親の判断で量を加減して子どもに飲ませたことがある
  • お子様が病院・調剤薬局でもらった際の薬の残りを、 兄弟・姉妹で同じ症状が出た時に、親の判断で飲ませたことがある
  • 以前、子どもが病院・調剤薬局でもらった薬を飲みきらなかったので、 再び似た症状が出た時に飲ませことがある
  • 「ジェネリック医薬品」と「OTC医薬品」は同じである
  • 薬の正しい使い方の教育は、中学校の義務教育で行われている
 製薬企業らが組織する、くすりの適正使用協議会は、中学生の母親を対象に「医薬品の適正使用に関する意識・知識調査」を実施。6割以上の母親が、過去に子どもがもらった薬の使い残しを似た症状で飲ませた経験があるなど、「薬の適正使用」が十分でない実態が明らかになった。

 同調査は2013年12月27日から2014年1月5日の期間に、中学生の子どもがいる母親500名を対象にインターネットで調査が行われた。中学校の保健体育:保健分野での「医薬品に関する教育」の導入から2年が経過するのを前に、中学生の医薬品の使用を取り巻く環境について明らかにすることが目的。

 服用方法を記載した説明書を子どもに渡し、自分で読ませているかという質問では、「まったくしていない」が36.4%、「あまりしていない」29.4%。「いつもそうしている」「ときどきそうしている」を上回り、6割以上の母親が子ども自身に読ませていない結果となった。一方で、子どもが薬を使用する際に、その薬を使用した際の副作用について、47%の母親が「あまり伝えていない」「まったく伝えていない」と回答した。

 親が病院・調剤薬局でもらった薬を、親の判断で量を加減して子どもに飲ませたことがあると回答した母親は、「よくある」「ときどきある」「(一度でも)したことがある」をあわせて33.8%。また、65.6%の母親が、子どもがもらった薬の使い残しを似た症状が出た際に子どもに飲ませた経験があり、42.6%の母親が、兄弟・姉妹に同じ症状が出たときに飲ませた経験があった。

 医薬品の知識に関して、「ジェネリック医薬品」と「OTC医薬品」は異なる医薬品を指す言葉であることを知っていたのは15%。この質問では「わからない」という回答が71.2%ともっとも多かった。また、薬の正しい使い方の教育が中学校の義務教育で行われていると知っていた母親は6%だった。

 同協議会ではこの調査結果を受け、中学校での「医薬品教育」がより効果的に行われるよう、教材提供などを通じてサポートするとともに、適正使用に関する啓発活動を行っていくという。
《黄金崎綾乃》

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