【高校野球】春のセンバツ2014 10日目結果と11日目のみどころ

 3月21日に開幕した第86回選抜高校野球大会、10日目となった31日は準々決勝4試合が行われた。春夏初出場の豊川がベスト4入りを果たすなど好ゲームが続く試合結果と大会11日目(4月1日)の見どころをまとめた。

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 3月21日に開幕した第86回選抜高校野球大会、10日目となった31日は準々決勝4試合が行われた。春夏初出場の豊川がベスト4入りを果たすなど好ゲームが続く試合結果と大会11日目(4月1日)の見どころをまとめた。

【第1試合】福知山成美(京都)2-6履正社(大阪)
 履正社が福知山成美を下し、3年振りに準決勝に進出を決めた。序盤からバントを絡め、チャンスを生かす攻撃で得点を重ねた履正社は、3番・吉田がこの試合3安打4打点をあげるなど攻めの野球を見せた。溝田は3者凡退を3つ決め、継投の永谷も最終回に3者凡退に打ち取るなど素晴らしいピッチングを見せた。

 一方、福知山成美は履正社・溝田投手からなかなか得点を得られず、8回に代打・所を起用し右中間へ二塁打を放つと、続く1番・西田のレフト前安打で無死一三塁としこの試合初めて三塁を踏むことに成功。チャンスの場面に代打・中島が高めの球をセンター前へ放ち1点を返し、溝田を交代に追い込む。エラーも呼び込みこの回2点としたが、9回には三者連続三振と初の準決勝進出とはならなかった。

【第2試合】豊川(愛知)6-2沖縄尚学(沖縄)
 春夏通じて初出場の豊川が沖縄尚学を下し、ベスト4入りを果たした。初回から攻める豊川は相手のミスを見逃さず、チャンスを広げ3番・氷見が詰まった当たりでセンター前に落ちる適時打で1点を先取すると、5番・伊藤がレフトへ抜ける2点適時打で3点を上げる。2回にも氷見がライト前へ抜ける適時打を放つとライトからの悪送球で一塁走者も生還し2点を追加。また、3回にも加点を重ね、6点を上げた。

 沖縄尚学はエース・山城の立ち上がりを打ちこまれ、守備のエラーも絡み失点が相次ぎ、主導権を握られたままリズムが掴めず苦戦。それでも4回に5番・上原(康)がレフト前適時打を放ち1点を返すと、8回にも3番・西平がレフトオーバーの適時二塁打でさらに1点を返す。しかし、チャンスをものにすることができず、ベスト8での敗退となった。

【第3試合】佐野日大高(栃木)7-5明徳義塾(高知)
 延長11回の打撃戦を制したのは佐野日大高だった。初回から打撃力を発揮する両者は1対1とすると2・3回に佐野日大高が9番・佐川、6番・田村、7番・柿澤の適時打で3点を追加し4対1とゲームをリードする。6回に5点を失い、1点を追う形で迎える7回に1死一二塁の場面で重盗を決め1死二三塁とすると4番・稲葉がレフトへの犠打で5対5と同点とし、今大会5試合目となる延長戦へもつれ込む。

 10回に明徳義塾が1死満塁のチャンスで7番・森の外野へ抜けると思われた当たりを、佐野日大高ショート・竹村の超ファインプレーにより流れを一気に佐野へ。11回佐野日大高の攻撃で2死二塁の場面を2番・長沢を死球で2死一二塁とすると、この試合2回目となる3番・吉田への敬遠で2死満塁に。結果的にこの敬遠がゲームを決することとなる。4番・稲葉のショートへの内野安打で6対5と勝ち越すと続く。5番・小泉がレフト前適時打で2点差とし、その裏、明徳義塾のバッターを3者凡退に打ち取り勝利を勝ち取った。

【第4試合】桐生第一(栃木)4-5龍谷大平安(京都)
 波乱の第4試合は序盤こそ桐生第一の独り相撲かと思われたが、エース・山田継投によるほころびを龍谷大平安は見逃さなかった。

 2回に相手のエラーも誘い1死二三塁の場面で7番・久保田がセンター前適時打で1点を先取し、9番・東宮の当たりが好守備を見せたレフトのグラブから惜しくも落球。2点適時二塁打とし流れを作ると1番・吉田の一塁ゴロと思われた処理をタッチの際に落球し、二塁走者がまさかの生還でこの回4点を得る。龍谷大平安も2・3回に細かく得点し2点を返すもなかなかチャンスを掴めない。

 しかし、7回に3連投となる桐生第一・山田投手がマウンドに上がると流れが一気に 龍谷大平安に。1番・徳本にライト前に打ち込まれると、エラーが続き無死二三塁のピンチに。4番・河合の三塁ゴロがフィルダースチョイスで1点差に詰め寄られると、5番・中口のライトへの犠牲フライで4対4の同点に。

 両者一歩も譲らぬ戦いで迎えた延長10回、桐生第一が無死一塁のチャンスを逃すとその裏、龍谷大平安4番・河合の鋭いピッチャー返しで出塁を許すと、三連投の疲れが出たのか山田の暴投、6番・常、7番・石川への四球で1死満塁に。最後は山田の暴投で三塁走者が生還し5対4のサヨナラ勝ちというまさかの幕切れとなり、龍谷大平安が40年振りのベスト4入りを果たした。

 大会11日目となる4月1日の第1試合は、攻めの野球を見せた履正社と初出場ながら沖縄尚学を下しベスト4入りを果たした豊川との対戦。履正社の強打者・吉田を豊川のエース・田中がどこまで抑えられるかがカギとなる。今大会424球を投げ切っている田中の肩にかかっていると言っても過言ではない一戦だ。第2試合は延長11回を制した堅い守りの佐野日大と同じく延長10回を制し逆転勝ちを収めた龍谷大平安との戦いとなる。準々決勝ではどちらも粘りのある野球で、好機を狙う我慢の野球を見せ、明日の対戦から目が離せない。
《田邊良恵》

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