学習症など「障害」を「症」へ変更、日本精神神経学会がガイドライン

 日本精神神経学会は5月28日、「DSM-5病名・用語翻訳ガイドライン」を作成した。児童青年期の疾患などについて、「障害」を「症」へと変更し、「学習障害(LD)」は「学習症」、「注意欠如多動性障害(ADHD)」は「注意欠如多動症」となった。

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  • DSM-5病名・用語翻訳ガイドライン(一部)
 日本精神神経学会は5月28日、「DSM-5病名・用語翻訳ガイドライン」を作成した。児童青年期の疾患などについて、「障害」を「症」へと変更し、「学習障害(LD)」は「学習症」、「注意欠如多動性障害(ADHD)」は「注意欠如多動症」となった。

 アメリカ精神医学会による「精神疾患の分類と診断の手引き(DSM)」の第5版が2013年に出版されたのを受け、病名や用語にさまざまな略語が用いられ混乱が起きないよう、ガイドラインにまとめた。

 児童青年期の疾患では、病名に「障害」がつくと、児童や親に大きな衝撃を与えるため、「障害」を「症」に変えることになった。「言語障害」は「言語症」、「学習障害(LD)」は「学習症」に言い換えられる。

 不注意や多動性、衝動性が表れる「注意欠如多動性障害(ADHD)」は「注意欠如多動症」、自閉症やアスペルガー症候群をとらえた「自閉スペクトラム障害」は「自閉スペクトラム症」となる。

 このほか、突然強い不安感などに襲われる「パニック障害」は「パニック症」、生物学的な性別と自己意識が一致しない「性同一性障害」は「性別違和」へと統一される。

 同学会では、今後も会員の意見を参考にしながら、DSM-5の病名・用語について検討を加えていくとしている。
《奥山直美》

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