都立高校入試、採点ミス新たに4人追加合格…マークシート導入など改善策提案

 東京都教育委員会は8月28日、都立高校入試の答案点検結果と調査・改善委員会の報告書を公表した。採点ミスによる追加合格者はさらに4人増え、22人となった。報告書では、マークシート方式の導入など、具体的な改善策が示された。

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採点・点検に専念できる時間と環境に関する改善策
  • 採点・点検に専念できる時間と環境に関する改善策
  • 発表日までの流れ(例)
  • 完全正答を求める問題の出題形式の変更
  • 採点誤りの要因
  • 報告書の概要
 東京都教育委員会は8月28日、都立高校入試の答案点検結果と調査・改善委員会の報告書を公表した。採点ミスによる追加合格者はさらに4人増え、22人となった。報告書では、マークシート方式の導入など、具体的な改善策が示された。

 都立高校入試をめぐっては、4月に都立荻窪高校で採点ミスが発覚したことを受け、全175校の都立高校において平成25年度実施分の全答案の再点検を実施。平成24年度実施分の答案点検も加え、都教委でも実施した結果、各年度1,000件を超える採点ミスと18人の不合格者が判明していた。

 8月28日の発表によると、都教委による第2次調査において、新たに平成25年度実施分で106校、280件の誤り、4人の追加合格者が発覚。平成24年度実施分でも77校、217件の誤りが判明した。このため、都教委では点検予定になかった合格者の答案についても点検を実施したという。

 さらに第3次調査として、平成23年度実施分の答案についても調査を実施。52校、346件で誤りが見つかった。追加合格者はいなかった。

 一方、報告書では調査結果の概要とともにミスの原因や課題についても分析。具体的な改善策として、記号選択式問題の解答形式についてはマークシート方式を導入することが盛り込まれた。ただ、一斉導入によるリスクを考慮し、平成27年2月に実施する入試については、モデル校において試験的に導入し、効果と課題を検証した上で全校導入することが望ましいとした。

 このほか、採点・点検に専念できる時間と環境の確保、採点・点検方式の抜本的な見直し、完全正答を求める出題形式の変更などが盛り込まれた。さらに救援策として、「合格発表日以降、受験生から申し出があれば採点済み答案の写しを交付する」「他校教員と相互点検を実施する」「答案の保存期間を現行の1年間から3年間に延長する」ことを提案した。
《奥山直美》

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