ソフトバンクとベネッセが「Classi」で目指す学びの進化とは

 ソフトバンクとベネッセホールディングスは合弁会社Classiを設立し、モニター100校での検証を経て、2015年度より授業・学校支援サービスを提供する。Classi取締役の加藤理啓氏に話を聞いた。

教育ICT 学校・塾・予備校
Classi取締役の加藤理啓氏
  • Classi取締役の加藤理啓氏
  • Classiホームページ
  • Classiトップ画面 ※イメージは変更になる可能性があります
  • デジタル教務手帳画面 ※イメージは変更になる可能性があります
  • 授業前後の取組み(桜丘中学・高等学校)
  • Webテスト・アンケート機能(桜丘中学・高等学校)
◆生徒の理解度を把握して授業に即時反映

 モニター校は、ICTを推進している学校を中心に全国から100校を選定。公立よりも私立の学校が多く、中学より高校が多い。提供する複数サービスの中から、各学校で必要なサービスを選んで利用している。

 桜丘中学・高等学校(東京都北区)では、2013年度に校内無線LANを整備し、専任教員全員にiPadを導入、2014年度からは中学と高校の新入生全員にiPadを導入している。校外の模擬試験の結果と校内の定期試験の結果をクロス集計して、生徒の弱点分野を分析。この分析結果を夏期講習のプログラムに反映している。

 また講習では「授業・学校支援サービス」のWebテスト・アンケート機能を使って生徒の理解度を把握し、その結果を踏まえて次回の授業設計をしている。フィードバックのサイクルを早くすることで、先生方の気づきが増えるという。これらを実現するにはICTが不可欠だ。Classiのホームページには、桜丘中学・高等学校のほか開智未来中学・高等学校や東京立正中学・高等学校など7校の事例が紹介されている。

◆Classiの授業・学校支援サービス

 Classiが提供する「授業・学校支援サービス」には、「授業・学習コンテンツ」「生徒カルテ」「コミュニケーション」の大きく3つの機能がある。特に、面談には生徒の進路を決める重要な役割があるが、生徒の授業出席率や成績、指導の履歴などの情報が分散しがちで、面接の準備に時間がかかってしまう。

 「生徒カルテ」では、各生徒の授業や生活指導、自宅学習のさまざまな情報を一元管理し、データを見ながら質の高い面談指導ができる。また、保護者が子どもの今の状況を知るために、Webで生徒カルテの一部を閲覧することもできる。

 大学入試センター試験を廃止し、思考力・判断力・表現力を中心に評価する新テストを実施する動きもあり、学校が評価する項目も増えてきている。そのような変化にも「生徒カルテ」で対応する。

 「授業・学習コンテンツ」には、中学1年生~高校3年生の全教科2万問を用意。問題には難易度が記してあり、先生が選んで出題できるようになっている。高校生に中学生向けの問題を出題するといった学び直しもでき、モニター校の先生方から好評を得ているそうだ。

 文部科学省は、教員による一方的な講義形式の教育ではなく、生徒自ら課題を解決したりプレゼンテーションしたりする能動的な参加型学習「アクティブラーニング」を推進している。「授業・学校支援サービス」はアクティブラーニングが実現できるサービスで、モニター校の声も逐次反映して機能に盛り込んでいるという。

 学びの形が変わりつつあるなか、ClassiではICTを活用し、生徒ひとりひとりの学習量や状況を「見える化」することで、タイムリーに指導に反映できる機能を提供する。先生や生徒だけでなく、保護者からも期待されるサービスになるのではないだろうか。
《工藤めぐみ》

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