【高校受験2015】大阪公立、入試の特徴と進学指導特色校対策…第一ゼミナール

 大阪府の高校入試に詳しい第一ゼミナールの教育推進部 部長 樋浦忠司氏に、2015年の高校入試の動向と、大阪府特有の入試や進学指導特色校対策、および2016年以降の受験生へのアドバイスなどを聞いた。

教育・受験 学校・塾・予備校
教育推進部 部長 樋浦忠司氏
  • 教育推進部 部長 樋浦忠司氏
  • 樋浦忠司氏
  • 第一ゼミナールを運営するウィザス
  • 教室の様子
◆一般選抜に一本化、変わる入試~2016年度以降の受験生に向けて

 2011年度入試から、進学指導特色校10校が指定され文理学科が設置された。2014年春、初年度の卒業生が大学受験を終え、一定の成果を上げているとして、次年度以降も現在の10校が継続指定されることになった。

 現在の「前期選抜」「後期選抜」の2本立てから、「一般選抜」に一本化され、同一高校内の複数学科志願が可能になる(一部学科を除く)など、2016年度入試以降、大阪府の公立入試制度は大きく変化する。この改革で原則5科入試となり、現在3科入試の文理学科も5科入試に変更される。

 また、調査書が「相対評価」から「絶対評価」になり、2017年度から段階的に調査書の評価対象が拡大され、2018年度以降では中1から反映されることになる。これにより、より早期から5科のバランスの取れた学習が重要となる。また、2017年度入試より、英語・数学・国語は難易度により3種類のテストが作成され、英語のもっとも難度の高いテストでは、「聞く(Listening)」、「書く(Writing)」をさらに重視し、「読む(Reading)」についてもスピードが求められることになる。そのほか、問題文も含め、すべて英語表記となる。

 「この英語のテストは、進学指導特色校や国際文化科・グローバル科設置校での導入が想定されています。従来から数学の入試問題は全国的に見ても難度が高かったのですが、それに加えて英語も難化することになりますので、より一層、入試傾向を踏まえた対策が必須となるでしょう」(樋浦氏)

◆併願校の考え方・選び方

 公立志向の強い大阪府では、私立は併願校としての位置付けが色濃く、自宅近隣の共学校から併願私立校を選ぶ傾向がある。「男子校や女子校、共学校ともに、私立には明確な教育方針である建学の精神に基づく校風がありますので、高校の雰囲気を直接感じながら学校選びを進めてください」「専門に特化したコースを有する高校や、抜群の大学実績を上げている高校は依然人気が高く、前期の結果次第では私立高校にそのまま手続きというケースも見られますが、本当に行きたい高校があれば、最後まであきらめずに受験したいものです」(樋浦氏)

◆エンパワメントスクールとは

 2015年に府立西成、府立長吉、府立箕面東高の3校で始まるエンパワメントスクールだが、「エンパワメント」には「力を引き出す」という意味があり、勉強と部活を両立しながら自分の力をもっと伸ばしていきたい生徒の入学を期待している。

 高1で中学までの内容を習熟度別で復習し、高2から高校の履修科目を始める学び直しを目的とした授業を展開するとともに、大学や専門学校、企業とも連携して「本物に触れる授業」を実施し、進路実現をはかる新しいタイプの高校だ。

◆2015年受験生と保護者へのメッセージ

 「昨年と同様に、普通科の学区撤廃の影響で府内全域での受験が可能なことから、選択できる高校が増えました。受験の機会も前期選抜、後期選抜と2回あるため、利便性や大学の合格実績などを判断材料として、従来の学区にとらわれずにしっかりと学校選びを進めてください。私立高校授業料の無償化制度のバックアップもあり、公立高校はチャレンジ型の強気な入試も可能ですが、将来自分が何をしたいのか、自分が本当に行きたい高校なのかを見極めて受験することが大切になります」と樋浦氏はメッセージを贈る。

◆第一ゼミナールの教育理念と意欲喚起教育(EMS)

 第一ゼミナールの教育理念である1/1の教育には、全生徒一律ではなく、一人一人の生徒と向き合って、一人一人の生徒を育む想いがこめられている。「いかに生徒が前向きに、そして自発的に勉強して成果をあげるようになるか」ということに全力で取り組んでいるという。また、最新の脳科学の研究成果を活用した独自の意欲喚起教育(EMS)では、もっともっと尊敬する自分づくりを通じて、自分で自分を意欲喚起する指導を推進している。

 また第一ゼミナールでは、文理学科合格に向けて、大阪府全域からトップレベル生が集結する「文理学科10高模試」など文理学科と最難関高校合格に向けて理論と戦略を学ぶ多数のイベントや講座を開講している。意識を変えて成績向上に結びつける意欲喚起特別講座や、不思議で楽しい科学実験、毎年のべ7万弱の生徒が受験する公開実力テストなど、第一ゼミナールの指導を体感できるイベントを多数開催している。
《田村麻里子》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top