大阪府、平成28年度以降の公立高校選抜制度を改善

 大阪府は平成28(2016)年度以降の公立高等学校入学者選抜制度の改善方針や概要、日程を発表した。現行の前期及び後期入学者選抜を一本化し、「特別入学者選抜」を早い日程で実施する。

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選抜の種類・日程
  • 選抜の種類・日程
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 大阪府は平成28(2016)年度以降の公立高等学校入学者選抜制度の改善方針や概要、日程を発表した。現行の前期および後期入学者選抜を一本化し、「特別入学者選抜」を早い日程で実施する。また、同一校内の学科間の複数志望を認めるほか、二次入学者選抜も実施する方針だ。

 大阪府は、平成23年度、私立高等学校の授業料無償化の拡大や、公私の受入れ比率の廃止により大阪府立高等学校入学選抜の環境は大きく変化。一部の学校に志願者が集まる一方、志願倍率が低迷する学校が現れるなど、二極化の傾向が顕著になった。この状況を受け、平成25年度以降、毎年、受験者の志願傾向や進路指導の状況等を分析し、平成28年度以降の入学者選抜の在り方、あわせて調査書における絶対評価を導入することについて検討を重ねてきた。

 主な改善内容は、「選抜機会」「選抜日程」「選抜資料(学力検査、調査書、自己申告書など)」「選抜方法」の4点。

 「選抜機会」の改善点として、現行の前期及び後期入学者選抜を後期入学者選抜の時期に原則一本化し、「一般入学者選抜」(以下、一般選抜)として実施。受験生の技能や意欲を重視し、実技検査や面接を実施するなど評価尺度や評価方法が異なる選抜については、「一般選抜」より早い日程で「特別入学者選抜」(以下、特別選抜)として実施する。

 これにより、現行の2度の選抜日程により、弊害とされてきた在校生指導(進路指導等)の時間不足解消をねらいとしている。また、各校の競争条件を揃え、切磋琢磨することで教育の質的向上も目指す。

 また、同一校内の学科間の複数志望を認めることにより、当該高等学校への進学を希望する生徒の就学機会を確保。一般選抜及び特別選抜において募集人員に欠員が生じた場合、「二次入学者選抜」(以下、二次選抜)を実施するという。

 その他「帰国生選抜」「中国等帰国外国人生徒選抜」「中高一貫選抜」「自立支援選抜」「自立支援補充選抜」「秋季選抜」などの選抜枠も設けた。

 「選抜日程」は検査実施日を、一般選抜は3月初~中旬、特別選抜は2月中~下旬に設定。二次選抜は一般選抜の合格者発表後に実施、その他の入学者選抜は特別選抜と同日程で実施する。ただし、自立支援補充選抜については二次選抜と同日程、秋季選抜については9月中旬に実施。

 「選抜資料」は、学力検査、調査書、自己申告書、実技検査、面接、作文、小論文、推薦書、基礎学力診断検査の中から、それぞれの入学者選抜において定めることとしている。特に、調査書に関しては、絶対評価(目標に準拠した評価)を平成28年度から導入し、各評価については5段階評価、評価対象学年を中学1~3年に拡大、「活動/行動の記録」の欄を新設するなど、改善点が多くみられる。また、生徒を多面的に評価する観点から、毎年府教育委員会がテーマを提示し、受験生全員に自己申告書を提出させることも決定した。

 「選抜方法」は各選抜機会に合わせ、それぞれ改善されている。調査書および自己申告書のイメージ資料、その他詳細は、大阪府のホームページより確認できる。
《小林瑞季》

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