【高校受験2015】都立トップ校対策とグループ作成問題…SAPIX中学部

 2015年の都立高校入試はどうなるのか。また受験対策はどのようにすればよいのか。難関高校受験指導で定評のあるSAPIX(サピックス)中学部に聞いた。

教育・受験 受験
SAPIX中学部 教育情報センター 次長の高橋淳氏
  • SAPIX中学部 教育情報センター 次長の高橋淳氏
  • SAPIX中学部制作の「東京都立高校 入試予想問題集」
  • SAPIX中学部、授業風景
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◆トップ校の受験対策~2016年以降の受験生に向けて

 都立トップ校を目指す2016年以降の受験生は、どのような対策がポイントになるのだろうか。この点について高橋氏は、「実は、共通問題の理科・社会がポイントです。この2科目でしっかり点数をとっていないと不合格になる場合もあります」と指摘する。

 理科・社会の問題は、すべての都立高校で共通とはいえ、決して簡単な問題ではない。私立と併願する場合、英数国の3教科の対策をしっかり行う生徒は多いが、手が回りにくい理社の点数の差が効いてくる。

 上位校の理科・社会の合格平均点は75点程度だという。「上位校なら平均点90点超えは当たり前」ではなくなり、問題が難しく、対策を怠ると足元をすくわれるということだ。

 理科・社会は試験範囲が広く分野も多岐にわたることも難度を上げる原因の一つだ。中学1、2年生からコツコツと勉強を積み重ねていくこと、勉強をする習慣をつけることが重要だと高橋氏はいう。

 だからといって、必ずしも1年生で志望校を決める必要はないそうだ。早くから志望校を決め、それに向けて勉強をするのは理想だが、それより塾や普段の勉強の習慣をつけておくことのほうが重要とのことだ。毎日机に向かう習慣、それができていると3年生になってからの受験対策や追い込みの効果に差が出るからだ。

 なお、都立トップ校では、難関私立・国立大に合格できる実力をもつ上位層と、その他の生徒との間で学力の二極化が起きている。難関大学への進学を目指すには、十分な学力をつけて高校進学することが必要だと高橋氏は説明する。

◆併願は6~7校程度が多い

 都立トップ校を狙う生徒は、どのような高校を併願するのか。SAPIXで日比谷を受験した男子生徒の併願校で多かったのは、開成、慶應志木、筑駒、渋幕、学芸大附属などだそうだ。これが女子になると、豊島岡女子、慶應女子、栄東、お茶の水、学芸大附属などとなる。西での併願パターンは、男子が早大学院、開成、慶應義塾、栄東、広尾学園。女子がお茶の水、豊島岡女子、慶應女子などとなっている。

 現在は神奈川、千葉、埼玉など電車の乗り入れが増え通学が便利になっている。そのため、首都圏の生徒は、都内だけでなく神奈川、埼玉、千葉の私立との併願が少なくないという。また中高一貫校で募集が少ない高校でも、合格者を多めに出す学校も併願先としてよく選ばれる。志望校選択も多様化しており、6~7校ほど受験する生徒が多いそうだ。

◆東京都の高校受験は恵まれている

 最後に高橋氏は、2015年入試を迎える受験生とその保護者に向けたメッセージとして次のように語ってくれた。

 「都内は、都立にしろ私立にしろ学校の種類が非常に多く恵まれています。早稲田、慶應など全国から受験生が集まる高校もあります。高校自体もそれぞれに多様性があり、その中から自分に合った高校を選ぶことができます。ぜひ、合格後のことを考えた学校選びをしてください。そのために必要なサポートも塾は提供していますので、わからないことは相談してください」

 「SAPIXに通っていた子は(入学してからも)伸びる」とは、ある都立高校の先生の評価だそうだ。SAPIXでは、いわゆる合格だけを目的とした従来型の受験テクニックは重視していない。むしろ将来的に長く通用し真の力となる探究心や論理的に考える力を育てることを目指しているという。
《編集部》

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