公立小中学校の適正配置、文科省が手引き公表

 文部科学省は1月19日、「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引」を公表した。少子化の進展が予想される中、望ましい規模を小学校は全学年でクラス替えできる「1学年2学級以上」、中学校は教科担任が学習指導できる「9学級以上」とした。

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学校規模適正化・適正配置等にかかわる検討経緯
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 文部科学省は1月19日、「公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する手引」を公表した。少子化の進展が予想される中、望ましい規模を小学校は全学年でクラス替えできる「1学年2学級以上」、中学校は教科担任が学習指導できる「9学級以上」とした。

 同日開催された中央教育審議会の初等中等教育分科会で示された。学校統廃合に関する手引きの作成は、昭和32年の「学校統合の手引」以来、約60年ぶりとなる。

 学校規模については法令上、小中学校ともに「12学級以上18学級以下」が標準とされている。今回の手引きでは、12学級を下回る程度に応じて、教育上の課題を考えていく必要性を指摘。学級数に加え、1学級あたりの児童生徒数、学校全体の児童生徒数、将来推計など総合的な検討が求められるとしている。

 「集団活動・行事の教育効果が下がる」「クラブ活動や部活動の種類が限定される」など、小規模校のデメリットについても検証。その上で、望ましい学級数を小学校では全学年でクラス替えが可能となる「1学年2学級以上」、中学校は免許外指導をなくし、すべての授業で教科担任が学習指導をするため「9学級以上」とした。

 学校規模の標準を下回る場合の市町村の対応についても、小中学校の学校規模別に目安を整理した。また、25学級以上の大規模校についても「一人一人が活躍する場や機会が少なくなる場合がある」など、課題を指摘。適正な学校運営を図る工夫も提案している。

 徒歩や自転車による通学距離の目安は、「小学校4km以内、中学校6km以内」という基準を維持したが、学校統合によるスクールバス導入なども考慮し、通学時間は「おおむね1時間以内」を目安に設定。ただし、体力低下、家庭学習時間の減少など、通学時間が長くなることに伴う課題を一定程度解消できることを前提とした。
《奥山直美》

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