子どもの生活を考える、スタディ・ライフ バランス推進プロジェクト発足

 教育と親子関係の専門家や子どもむけのサービスを展開する有識者や団体が集まり、子どもたちの生活と勉強のバランスをサポートする「スタディ・ライフ バランス推進プロジェクト」が発足した。

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スタディ・ライフ バランス
  • スタディ・ライフ バランス
  • 桜美林大学 教授 身体心理学、山口創氏
  • 東京成徳大学大学院 教授 学校心理士スーパーバイザー・臨床心理士、田村節子氏
 教育と親子関係の専門家や子ども向けのサービスを展開する有識者や団体が集まり、子どもたちの生活と勉強のバランスをサポートする「スタディ・ライフ バランス推進プロジェクト」が発足した。詳細は3月2日より公開されているWebサイトで閲覧でき、今後もイベント情報やインタビュー記事などが更新される。

 「スタディ・ライフ バランス推進プロジェクト」は、子どもの生活における勉強のバランスを啓発する目的で、東京成徳大学大学院教授の田村節子氏や桜美林大学教授の山口創氏ら教育や親子コミュニケーションの専門家や、学習サービスを展開するリクルートマーケティングパートナーズなどの賛同のもと発足された活動。

 同プロジェクトでは、仕事と家庭やプライベートのバランス両方の充実を図る「ワーク・ライフ・バランス」を子どもの生活になぞらえ、勉強と生活のバランスを「スタディ・ライフ バランス」と名づけた。プロジェクトでは、このバランスを見直すことで「子どもも親もいきいきと学び、生きられる社会づくり」の大切さを啓発していく。

 学校心理士・臨床心理士である田村氏は、パソコンやモバイル端末を利用した学習サービスに触れ、子どもの学習状況が可視化されることで子どもへの管理を強めてしまうことの危険性を指摘。また、身体心理学の観点から、山口氏は親子間の愛着が子どもの勉強に積極的な効果をもたらす可能性があるとし、現代の子どもたちを取り巻く環境でスタディ・ライフ バランスを整える重要性を説いた。

 スタディ・ライフ バランスが崩れる理由は4つあり、それぞれ「小4の壁」「適切な声かけ・見守りができない」「教育費の負担」「大人のワーク・ライフ・バランスの崩れ」など。塾や通信教育によって親子がコミュニケーションに割く時間が減少したり、何気ない保護者の一言が子どもに重圧を与えてしまうなど、生活における勉強のバランスが崩れる要因は数多く存在するという。

 今回のプロジェクト発足に際し、田村氏は子どもに関わらず現代は「SNSの台頭で常に他者に気をつかい、親子ともに自分らしさを保つことがとても難しい」とコメント。その中でも、同プロジェクトの意義について「子どもが勉強とのつき合い方、家族とのつき合い方、自分とのつき合い方について考えるよい機会になることを期待している」と期待を寄せた。

 スタディ・ライフ バランスに関する情報はWebページで閲覧が可能。スタディ・ライフ バランスについてや、バランスが崩れる理由、専門家からの話で考えるきっかけを与える内容などが掲載されている。生活と勉強のバランスについて、実際に家庭に対してインタビューを行う実践記事は今後掲載される予定。

 また、3月末には、「デジタル化が進む時代に保護者はどのようなバランスや感覚が求められるか」を学ぶセミナーの開催が予定されている。当日のセミナー形式や講師、日時などはWebページにて詳細が更新される。
《佐藤亜希》

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