京都府が土曜日授業について調査…教員負担あるが生徒には価値ある時間

 京都府は3月16日、平成26年度「土曜日を活用した教育」にかかわるアンケートの結果について公表した。保護者は土曜日授業については肯定的な意見が増え、教職員も負担はあるものの6割が取組みの継続に前向きな意見だった。

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土曜日を活用した取組みについてどう思うか(児童生徒・平成24年度と比較)
  • 土曜日を活用した取組みについてどう思うか(児童生徒・平成24年度と比較)
  • 土曜日を活用した取組みについてどう思うか(保護者・平成24年度と比較)
  • 土曜日を活用した取組みについてどう思うか(教職員・平成24年度と比較)
  • 今後の学校での土曜日の在り方について(教職員)
 京都府は3月16日、平成26年度「土曜日を活用した教育」にかかわるアンケートの結果について公表した。保護者は土曜日授業については肯定的な意見が増え、教職員も負担はあるものの6割が取組みの継続に前向きな意見だった。

 調査は平成26年11月~12月に実施。土曜教育実践研究校149校の中から小学校14校、中学校10校を対象に、調査校の児童生徒およびその保護者、教職員約7,000人に「土曜日を活用した教育」について聞いた。教育課程に位置付ける授業や行事として実施する場合は代休を設けず、土曜の午前中に実施し、月2回を上限としている。

 児童生徒に土曜日を活用した取組みについて聞いたところ(複数回答)、もっとも多かったのが「土曜日に学校があると疲れる」が39.0%、ついで「友達に会えるのでうれしい」18.5%、「月曜日から金曜日までと特に変わった感じがしない」14.2%となった。平成24年度調査と比べると「土曜日に学校があると疲れる」と回答した児童生徒は9.1ポイント減少し、また「友達と会える」「変わった感じがしない」の回答を合わせると4.3ポイント増加している。

 保護者の回答でもっとも多かったのが「従来あった取組みが主であり、特に何も思わない」が37.8%、ついで「保護者も参加しやすいので良いと思う」20.6%、「もっと積極的に進めてほしい」17.0%となった。平成24年度調査と比べると、「従来あった取組みが主であり、特に何も思わない」という回答が9.7ポイント増加するなど、土曜日に学校があることについて、肯定的な回答が増えている。自由意見では「月に2回の土曜授業は疲れがでる。月1回程度がいい」「家族みんなで参観できるのがいい」などがあった。

 教職員は「特別な取組みを準備しなければならず負担が増えたと感じる」と回答した人がもっとも多く22.1%だった。ついで「開かれた学校づくりにつながっている」17.5%、「特に違和感がない」16.3%となった。平成24年度調査と比べると「教職員への説明が不十分で一方的に進められていると感じる」と回答した人が24.6%から10.5%に半減、「負担が増えたと感じる」と回答した人は4.7ポイント減少した。

 自由意見では「授業時間が増えた分、年間予備時間が増やせ、警報発令時の時間数減にも対応できるようになった」「毎週行うと負担が大きいが、定期テストの前の補習をすることは生徒にとって価値のある時間になった」などがあった。

 今後の学校での土曜日の在り方については、保護者は「現状のままでよい」がもっとも多く38.4%、ついで「もっと充実させてほしい」32.0%と土曜日を活用した教育に前向きだった。一方で教職員は「土曜日を活用した取組みをする必要はない」がもっとも多く35.0%、「今年度と同じような取組みを継続するのがよい」31.6%、「実施回数は減らしても取組みを実施するのがよい」29.9%。3割を超える教職員が必要を感じていないものの、平成24年度調査の70.2%からは半減している。
《田中志実》

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