【私学訪問】中1全員がクラブ参加、リーダーとしての資質を育む「本郷学園」

 東京都豊島区の都心にありながら、広い人工芝のグラウンドを有する男子校の本郷中学校・高等学校(本郷学園)。北原福二校長(福は示偏の旧字体)に同校の特色や教育方針などを聞いた。

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インタビューに応える北原福二校長
  • インタビューに応える北原福二校長
  • 北原福二校長
  • 所狭しと並ぶトロフィーや盾
  • 教室での生徒のようす
  • 競技大会では、クラスが一丸となり各種目での優勝を目指す
  • 競技大会のようす
--そのような自己管理を続けるための工夫はありますか。

北原校長:生徒は生活記録表というものを使っています。社会人のみなさんが手帳を使って時間管理をしているのと同じです。毎日の時間の使い方を記録することで、自分の空き時間を把握することにつながります。

 たとえば、ラグビー部は、東京都の代表として全国高校ラグビー大会にたびたび出場しているのですが、顧問の先生は、生徒たちにこんな話をしています。「対戦相手の顧問の先生を知っていて、その先生がどんな指導をするかもわかっている。練習内容がそれほど変わらないものだとしたら、練習量の多い学校と少ない学校、どっちが勝つ可能性が高いか?」と。

 当然、練習量の多い学校のほうが有利だと、生徒は答えます。そしてそれに対し「練習時間と日数の制限がある中で、どうやったら勝てるのか、どうやって練習量の少なさをカバーしなければならないのか。それは、君たちの問題だろう?」と問いかけるのです。

 その結果、生徒たちは、これまでの練習方法だけではなく、空き時間の使い方にも工夫をし始めます。自分の生活を振り返り、無駄な時間を減らす努力をするのですが、そのときに生活記録表が役立ってくるのです。

--学習面では、どのような特色がありますか。

北原校長:大学進学に配慮して5教科に力を入れているのはもちろん、芸術、情報、家庭、体育などの実技教科にもしっかりと取り組んでいます。特に家庭科では調理実習をはじめ、被服実習にも力を注いでいます。最初は針に糸を通す事ができずに、先生が糸通しをしてくれるまで待っていた生徒も、上手にボタンつけができるようになります。これからの時代、男子にとっても料理や裁縫は不可欠ですからね。

--教育ICTへの取組みはいかがですか。

北原校長:先日、iPhoneアプリ開発のプログラミングの講習会を実施しました。また、生徒総会では生徒自身が作成したパワーポイントによるプレゼンテーションを行っています。現在の生徒はICTに対してまったく抵抗感をもっていませんので、活用の範囲は今後ますます広がっていくと思います。

 その先駆けというわけではないのですが、本校では5年ほど前から、中学入学時に、英単語のデータとテスト問題が収められたUSBメモリを生徒に渡し、学習意欲を刺激するという取組みも行っています。
《大倉恭弘》

大倉恭弘

大阪生まれ。美大卒、デザイナー出身のコピーライター。教育、ICT、スポーツなど幅広い分野のインタビュー取材に携わる。プログラミング、コーディングをこなし、4コマ漫画の連載も。企画・編集協力に「ナニワなんでもタイガース」他。趣味はウクレレ、Sonic Piを用いた楽曲制作、スケッチ、GIFアニメ制作。

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