【高校受験2016】大きく変わる大阪公立高校入試、志望校選択に影響…第一ゼミナール

 大阪府の高校入試に詳しい第一ゼミナールを運営する、ウィザス 情報企画室 室長の高澤隆一氏に、2016年の高校入試の変更点や動向、受験生へのアドバイスを聞いた。

教育・受験 中学生
ウィザス 情報企画室 室長の高澤隆一氏
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◆相対評価から絶対評価へ

 最後に、内申(評定)が相対評価から絶対評価に変更されます。現中3については、中3時の内申のみが必要ですが、現中2は中2と中3、現中1は3年分の内申が必要となります。その内申と学力検査の比率も、高校によってタイプIからVまで5段階にわかれております。難度の高い高校では、学力検査と内申の比率はタイプIの7:3となり、入試当日の得点が重要になっています。各高校において、どの比率を採用しているかしっかりと調査して、もっとも効果的な受験勉強をしなくてはなりません。

◆人気の文理学科の倍率に変化はないか

--2016年度はどのような入試になるでしょうか。

 文理学科については、人気が確立されており、入試制度の変更があっても倍率はさほど変わらないのではないかと考えています。しかし、北野高校と天王寺高校は文理学科のみの募集となりますので、これまでギリギリですべりこんでいた受験層が、安全志向で1ランク下げて受験することが考えられます。天王寺高校を考えていた受験層が、三国丘高校の普通科に流れてくることがあるかどうか、中学校で実施される「進路希望調査」も考慮しながら動向をチェックする必要があります。

◆絶対評価の影響で、2番手校に強気出願も

 また、絶対評価に変わり、全体的に通知表が高く出る傾向があるため、偏差値55~60あたりの受験層は強気出願を考えるかもしれません。そうなりますと、いわゆる2番手校の倍率が上がることになり、寝屋川高校や泉陽高校などは、難度が上昇する可能性があります。

 また、大阪の公立高校では、英数国の学力検査において、検査難易度をA~Cの3段階(Cがもっとも難度が高い)から高校が選択できることになっています。難関校ではC問題を採択することが多いですが、いわゆる中堅校でありながら、タイプCを選択している高校もあります。具体的には今宮高校などがあげられますが、受験生から敬遠される可能性も否定できません。そうすると、近隣の同程度の高校の倍率が上がる可能性もあります。逆に、上位高校のひとつである大阪市立高校の理数科など、タイプBを選択している高校もあります。その場合、高得点が続出する可能性があります。すべては、ふたを開けてみないとわかりませんが、学校や塾の先生など専門家のアドバイスをよく聞いて最適な受験校を選ぶ必要があるでしょう。

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《田村麻里子》

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