文具コンサルタントに聞く、勉強机や作業デスクをすっきりさせるコツ

 文具コンサルタントの土橋です。このコラムでは、ひとつの文具に的を絞って、色々な角度からその魅力、そしてそれを使った仕事術についてもご紹介していきたいと思っています。今回はついつい散らかりがちになる「モノの整理」についてです。

生活・健康 保護者
事務所のデスク。ご覧のとおり引き出しはない
  • 事務所のデスク。ご覧のとおり引き出しはない
  • 引き出し代わりにしているツールボックス
  • 普段は、このようにファイルスタンドに横にしている。私はふだんこれだけで仕事をしている。
  • コクヨ バッグインバッグ A4 3,200円、B5 2,900円、A5 2,300円(いずれも税別)
  • 私の場合、外で仕事をする道具は、A5サイズのバッグインバッグにピッタリ収まった
  • 小分けされたポケットがたくさんあるのでモノの定位置が決めやすい
  • この中に仕事道具がまとめられているという安心感がある
  • 筆者/土橋正
 文具コンサルタントの土橋です。文具フィールドで商品企画やPRのコンサルティングを行っています。世の中にはさまざまな文具があります。そのひとつひとつにはその文具ならではの特長や使い方があるものです。このコラムでは、ひとつの文具に的を絞って、色々な角度からその魅力、そしてそれを使った仕事術についてもご紹介していきたいと思っています。今回はついつい散らかりがちになる「モノの整理」についてです。

◆仕事に集中するために

 私のデスクには引き出しがない。その代わりにしているのが小さなツールボックス。ここに最小限のペンや付せんといった文具を入れている。たったこれだけで仕事をしているが、まったく不便を感じない。むしろ快適に仕事ができている。

 たとえば、0.7mmシャープペンをとろうとしたときでも、すぐに手にとれる。そこには「探す」「選ぶ」という作業は一切ない。仕事をしていて何か道具をとろうとしたとき、一番大切なのは、その道具で仕事をすること。それが最大の目的だ。その手前の「探す」「選ぶ」はないに超したことがない。モノが多いと何をとるにしても「探す」「選ぶ」手間が入り込む。時間にして数秒と短いが、私は時間よりも脳の回転が止まってしまうことが気になる。それまで考えていたことがリセットされてしまうので。

◆モノはどうすれば減らせるか?

 私はこう考える。モノに着目するのではなく、それを入れる器に注目すべきだと。すなわち、モノを入れる器をできるだけ小さくしていくのだ。

 モノというのは、不思議なもので器の大きさギリギリまで増えていく。みなさんの机の引き出し、自宅のクローゼットには、モノがギリギリ一杯になっていないだろうか? 人は空間がそこにあると、それを埋めようとする本能みたいなものがあるように思う。

 その本能を逆手にとって、器を小さくしていけばいい。その理由で私は引き出しを持たずに、あえてツールボックスで済ませている。小さければ入れるモノを厳選しないといけない。この時こそ「選ぶ」をじっくりと行う。ひとたび選んだら、その後はもはや選ばなくていい。

◆現代のワークスタイルに

 私は事務所をベースにして仕事をしているが、現代のビジネスパーソンはオフィスだけでなく出先など場所を選ばず仕事をしていく必要がある。つまり、仕事道具を持ち歩かなければならない。その器に「バッグインバッグ」はちょうどよいと思う。

 サイズもA4、B5、A5と豊富。ポケットが小分けされているので、ここにはコードを、ペンはここへと「モノの定位置」が決めやすい。モノを少なくし、さらにはひとつひとつの定位置を決めれば、「探す」「選ぶ」という余計な作業はなくなる。

 どのサイズにするかは、一度自分が持ち歩くモノを机の上に出して厳選した上でピタリと収まるものを選ぶといい。少し大きめを選ぶと、空間を埋めようと余計なモノを入れてしまうことになるので、そこは注意したい。

---
土橋 正(つちはし ただし)
 ステーショナリー ディレクター、文具コンサルタント。文具の展示会「ISOT」の事務局を経て、土橋正事務所を設立。文具の商品企画やPRのコンサルティング、文具売り場のディレクションを行っている。文具ウェブマガジン「pen-info」では、文具コラムをはじめ、海外の文具展示会レポートなどさまざまな情報を発信している。

モノを増やさないコツは、器を大きくしないこと

《土橋正》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top