【中学受験2016】四谷大塚に聞く、首都圏中学受験の最新動向

 2016年の中学入試も、残すところあと1カ月となった。首都圏の中学受験の2016年の傾向から、特徴のある私学のポイント、さらに受験当日のアドバイスまで、創立61年の歴史と中学受験の実績をもつ四谷大塚情報本部の本部長代行の岩崎隆義氏に話を聞いた。

教育・受験 小学生
四谷大塚の質問風景(提供:四谷大塚)
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  • 四谷大塚の授業風景(提供:四谷大塚)
◆第1志望校は譲らず、合格できる受験

--年末から入試当日までのアドバイスを、保護者と受験生それぞれにお願いします。

 まず保護者の方は、ここまできたらわが子を信じることです。特に男の子はエンジンがかかるのが遅いので、まだまだ子どもの伸びる力を信じてください。そして受験校について最終的に迷っている人は、12月模試で決めるとよいでしょう。ただし、モチベーションの大元である第1志望校はできるだけ譲らないようにしてください。

 同時に、合格の可能性の低い学校ばかりにチャレンジすることはお勧めしません。12歳の子どもが受験勉強を頑張ったご褒美とはなんでしょうか? それは「合格すること」に他なりません。合格できたという体験をさせてほしいと思います。そして、合格通知をもらえた暁には、「おめでとう」と言ってあげてください。

 中学受験の体験は12歳で終わりではなく、良い通過点になるように導いてください。高校受験では、もう親はほとんど関われないのが現実です。ただし、中学受験は二人三脚の親子でやるからこそ、つい言ってしまう例もあります。たとえば「あなたはダメね」「頭悪いからもう止めたほうがいい」といった、子どもの可能性をつぶす言葉は絶対に言わないようにしてほしいと思います。

 そして受験生は、自分の可能性を信じること。1月から受験が始まりますが、第1志望の合格を勝ちとるまで頑張ること。「力は最後の最後まで伸びる、試験の時まで伸ばすことができる」ということを伝えたいと思います。

--生徒に対して心がけている点や指導などがありましたら、教えてください。

 四谷大塚では、一貫して「心知一体」の“心の教育”を心がけています。小学生は興味や関心が大きく、興味をもてないことには集中力も失せてしまいます。そこで、「何のために勉強するのか」ということを問いかけ、その夢や志を明らかにし、大事にしていきます。

 子どもが夢をもった際、その動機を知り、夢をふくらませていくための方法に導いていく。そして努力を継続させるためには、褒めることです。たとえその時点では点数が上がっていなくても、続けている姿勢そのものを褒めることで、努力を続けていけます。過程で諦めたり挫折したりしないよう、いかに続けていけるか。これらの指導を“心の指導”として、もっとも大切にしています。正しいことをやっていれば、結果は自ずとついてくると思います。

--ありがとうございました。
《相川いずみ》

教育ライター/編集者 相川いずみ

「週刊アスキー」編集部を経て、現在は教育ライターとして、ICT活用、プログラミング、中学受験、育児等をテーマに全国の教育現場で取材・執筆を行う。渋谷区で子ども向けプログラミング教室を主宰するほか、区立中学校でファシリテーターを務める。Google 認定教育者 レベル2(2021年~)。著書に『“toio”であそぶ!まなぶ!ロボットプログラミング』がある。

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