【高校受験2017】郡の統合や日程に注意、H29年度愛知県公立高校入試の変更点

 平成28年度から入試制度が大きく変わり、受検生や現中2生の話題となった大阪府立高校入試。平成29年度はさらに、愛知県でも入試制度が変更される。入試制度のおもな変更点や注意点、情報を開示しているWebサイトを紹介する。

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愛知県新高校入試 出願から合格者発表までの流れ
  • 愛知県新高校入試 出願から合格者発表までの流れ
  • 愛知県新高校入試 実際の出願から合格者発表までの流れ例
  • 愛知県新高校入試 新しい入試制度の内容
 3月17日に平成28年度公立高校入試の合格発表が実施された愛知県。平成29年度からは入試制度が変更されることが決定しており、従来の入試と異なる点は4月から中学3年生になる生徒と保護者の気になるところだろう。入試制度のおもな変更点や注意点、情報を開示しているWebサイトを紹介する。

◆平成28年度までの愛知県公立高校(全日制)の入試制度

 愛知県では、県内すべての普通科高等学校を「尾張第1郡」「尾張第2郡」「三河第1郡」「三河第2郡」の4つにわけ、さらにそれぞれの郡をAとB、ふたつの学校グループに分割している。学区(通学区域)は昭和31年度から現在まで、普通科は尾張と三河の2学区で、専門学科は県内全域に定められている。受検生は、居住する学区内の高等学校に出願する。

 愛知県公立高校入試の特徴は、推薦選抜と実施期日をずらしたAとBの2つの学校グループによる入学検査を併用した「複合選抜制度」にある。受検者は、A・Bグループのいずれか一方、または双方の学校(普通科については、同一群内)へ出願する。出願の際、AグループとBグループの志望校にはそれぞれ、第1志望と第2志望の志願順位をつけることができる。推薦選抜と一般選抜は別日程に実施されるため、A・Bグループ双方の選抜も含めれば最大で3回、出願のチャンスがあった。

◆平成29年度以降の新入試、おもな変更点

・郡の統合

 平成28年度までは「尾張第1郡」「尾張第2郡」「三河第1郡」「三河第2郡」の4つに分かれていた郡は、「三河第1郡」と「三河第2郡」が統合され、「尾張第1郡」「尾張第2郡」「三河郡」の3つに分けられる。これまで学校数が少なかった三河が統合されることにより、三河地域の生徒は受検できる学校の選択肢に幅が生まれる。

・学力検査の配点と時間

 平成29年度愛知県公立高校入試の入学検査の教科は国語、社会、数学、理科、外国語(英語)の5教科。平成28年度までは各教科40分、20点満点だったが、新入試からは各教科45分、22点に変更される。合計得点は110点。ただし、外国語(英語)は、聞き取り検査が10分間程度、筆記検査は40分。

・日程の変更

 入学者選抜はこれまで推薦選抜と一般選抜(B・Aグループ)は別日程で実施されていたが、平成29年度入試からは同日に実施する。推薦選抜の出願対象者は、志願先の高等学校を第1志望とし、各高校が示す条件を満たし中学校長の推薦を得た者。推薦選抜の志願者は、第2志望校は一般選抜に出願できる。

・推薦選抜の学力検査必須化

 これまで別日程で行われていた推薦選抜と一般選抜が同日程で実施されることにより、平成29年度以降は全校で学力検査と面接が実施される。推薦選抜の場合は、一般選抜の面接を兼ねて入学検査を実施し、不合格となった場合は改めて一般選抜の対象となるため、推薦選抜の志願者も必ず5教科学力検査を受検する。ただし、推薦選抜では学力検査の結果は資料として用いない。

◆新入試に関する情報を開示しているWebサイト

 愛知県教育委員会学習教育部高等学校教育課は、愛知県Webサイト内の「高等学校への入学」で平成29年度以降の新しい入学者選抜制度について詳細を掲載している。変更点が加えられた平成29年度以降の新しい通学区域(郡)およびグループ分け資料も公表中。新しい入試制度に関するQ&Aで一般的な質問にも回答している。入試の募集要項や願書受付・志願変更日程、入試日、合格発表日などのスケジュールも同サイト内で公開予定。なお、平成28年度入試の実施日程は7月上旬に発表された。

 愛知・静岡・岐阜県で塾を展開する佐鳴予備校は、佐鳴予備校Webサイトの「中3高校受験対策」で平成29年度導入の新方式に関する解説を掲載し、おもな変更点をまとめている。なお、平成28年度入試では入試スケジュールや合格決定の手順について公開した。
《佐藤亜希》

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