中1から週12時間の英語漬け、広尾学園に聞くインターナショナルコース最新事情

 中学生から英語漬けの環境は、生徒たちにどのような効果をもたらしているのだろうか。インターナショナルコースのマネジメントを手掛ける植松久恵氏に、インターナショナルコースにおける授業の特徴や入試方法、卒業生の進路について聞いた。

教育・受験 中学生
広尾学園 インターナショナルコース マネージャーの植松久恵教諭。現在は、中学1年生SGの英語や、高校2年生インターナショナルコースの担任も務めている
  • 広尾学園 インターナショナルコース マネージャーの植松久恵教諭。現在は、中学1年生SGの英語や、高校2年生インターナショナルコースの担任も務めている
  • インターナショナルコースの授業風景
  • 帰国子女や外国人の生徒との会話は英語が主流に
  • 授業ではディベートも盛んに行われている
  • 生徒によるプレゼンテーションやディスカッションの機会も多い
  • 外国人教員による、英文学の授業
  • 毎年秋に行われる文化祭「けやき祭」では、生徒全員がプレゼンを行う
  • 医進・サイエンスコースとの合同講座は、解説から発表まで、オールイングリッシュ
◆本科を圧倒、英語に触れる量の多いSG

--スタンダードグループの特徴を教えてください。

 まず、入試方法から説明すると、SGの中学入試に英語はなく、国・算・理・社の4科で試験を行います。英検を合格していても、特に加点はありません。実際に入学してくる生徒の85%は、英検未取得か4・5級レベルで、中学1年生から英語をスタートさせる生徒が圧倒的に多いです。

 SGの特徴は、学園生活中に英語に触れる機会が多いことにあります。そのひとつが英語授業の多さで、週にすると12時間以上、英語に触れる環境が整っています。インターナショナルコース以外の本科では、英語は日本人教員による5時間授業なのに対し、SGは日本人教員が4時間、外国人教員が3時間と、合計で週7時間の授業があります。さらに、美術1時間と技術2時間、道徳1時間、ロング・ホームルーム1時間と、計12時間が英語の授業にあてられています。

 それから、ホームルームは、AGの生徒と同じ教室で受けます。半分が帰国子女のAG、もう半分がSGとなるので、クラスで飛び交う言語は英語がメインになります。さらに、担任は外国人教員と日本人教員のダブル担任で、毎日のアナウンスはすべて英語で行われます。そのため、自然と話す言葉は英語が多くなっていきます。

◆行き届いた日本人と外国人のダブル担任制度

--ダブル担任制度では、先生の役割はどのように分担されていますか。

 日本の学校ですから、元の情報はすべて日本語です。日本人教員は、そういった情報を整理して外国人教員に伝えたり、三者面談で保護者の方とお話しする際などにサポートしています。同様に、生徒の前では外国人教員が話しをし、日本人教師は外国人教員のサポートや作業を担当しています。

 高校もダブル担任制を採っていますが、中学とは役割が異なります。たとえば、AO入試をはじめとした日本の大学の入試を生徒が受験する際は、おもに日本人教員が担当します。
《相川いずみ》

教育ライター/編集者 相川いずみ

「週刊アスキー」編集部を経て、現在は教育ライターとして、ICT活用、プログラミング、中学受験、育児等をテーマに全国の教育現場で取材・執筆を行う。渋谷区で子ども向けプログラミング教室を主宰するほか、区立中学校でファシリテーターを務める。Google 認定教育者 レベル2(2021年~)。著書に『“toio”であそぶ!まなぶ!ロボットプログラミング』がある。

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