中1から週12時間の英語漬け、広尾学園に聞くインターナショナルコース最新事情

 中学生から英語漬けの環境は、生徒たちにどのような効果をもたらしているのだろうか。インターナショナルコースのマネジメントを手掛ける植松久恵氏に、インターナショナルコースにおける授業の特徴や入試方法、卒業生の進路について聞いた。

教育・受験 中学生
広尾学園 インターナショナルコース マネージャーの植松久恵教諭。現在は、中学1年生SGの英語や、高校2年生インターナショナルコースの担任も務めている
  • 広尾学園 インターナショナルコース マネージャーの植松久恵教諭。現在は、中学1年生SGの英語や、高校2年生インターナショナルコースの担任も務めている
  • インターナショナルコースの授業風景
  • 帰国子女や外国人の生徒との会話は英語が主流に
  • 授業ではディベートも盛んに行われている
  • 生徒によるプレゼンテーションやディスカッションの機会も多い
  • 外国人教員による、英文学の授業
  • 毎年秋に行われる文化祭「けやき祭」では、生徒全員がプレゼンを行う
  • 医進・サイエンスコースとの合同講座は、解説から発表まで、オールイングリッシュ
◆卒業後は国内トップ大学や海外最難関大学へ

--中学インターナショナルコースの生徒たちの進学先はどういったところが想定されますか。これまでの実績を交え、教えてください。

 SGに関しては、一期生が今春卒業したばかりで、これから海外の大学の合格発表が控えているところです。日本の大学を受けた生徒では、早稲田大学や東京外国語大学などに進んでいます。一期生7人のうち4人は中学から高校に進級する際、高校でインターナショナルコース、残り3人は本科を選択しました。

 AGの方は、高校でもインターナショナルコースを選択する生徒がほとんどで、AO入試で早稲田大学や慶應義塾大学、上智大学、国際基督教大学(ICU)などに進学しています。海外では、奨学金を得てアメリカの大学に行った生徒や、カナダの最難関であるトロント大やブリティッシュコロンビア大に合格したという報告もありました。

◆生徒たちに海外大学という選択肢を広げたい

--今後、英語教育はますます重要視されていくと予想されています。インターナショナルコースにおけるこれからの展望や目標を教えてください。

 これから大学入試などがどう変わっていくのか、今はようすを見ています。けれど、学内では今後の変化については案じていません。英語のスピーキング、ライティング、リスニングの力といったものが求められると言われていますが、インターナショナルコースではすでにそれらの力をすべてつける授業を行っています。受験のスタイルがどう変わろうと、どのように学力がはかられようと、インターナショナルコースは問題ないと思っています。

 そのうえで、今後はより多くの生徒を海外の大学へ送り込みたいと思っています。それは海外への進学実績を作りたいのではなく、これまでの生徒たちの教育のバックグラウンドを考えると、活躍の場所は日本だけではないからです。海外という選択肢があれば、生徒たちの可能性はさらに広がると思っています。

--ありがとうございました。

 植松氏によると、本科の生徒もインターナショナルコースの英語授業を受けられる。しかし、一定の英語力がないとついていけないため、「テストの結果と普段の成績などを見て、クリアした生徒のみ受講できる」(植松氏)。そのほか、中学・高校のインターナショナルコースに関する情報は、広尾学園中学校・高等学校Webサイトで確認できる。
《相川いずみ》

教育ライター/編集者 相川いずみ

「週刊アスキー」編集部を経て、現在は教育ライターとして、ICT活用、プログラミング、中学受験、育児等をテーマに全国の教育現場で取材・執筆を行う。渋谷区で子ども向けプログラミング教室を主宰するほか、区立中学校でファシリテーターを務める。Google 認定教育者 レベル2(2021年~)。著書に『“toio”であそぶ!まなぶ!ロボットプログラミング』がある。

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