パソコン教室が不要に、学校向け「クラウド型パソコン教室」サービス

 ユニアデックスは、大学など学校向けに、学生・生徒の個人所有パソコンの持ち込み利用を可能にする「クラウド型パソコン教室サービス」の販売を7月27日より開始した。導入することで、パソコンを使った授業を行うために必要な専用のパソコン教室などが不要になるという。

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「クラウド型パソコン教室サービス」の概要図
  • 「クラウド型パソコン教室サービス」の概要図
  • 仮想デスクトップの利用イメージ
  • 仮想パソコン教室を制御する「授業自動予約システム」
 ユニアデックスは、大学など学校向けに、学生・生徒の個人所有パソコンの持ち込み利用を可能にする「クラウド型パソコン教室サービス」の販売を7月27日より開始した。導入により、パソコンを使った授業を行うために必要な専用のパソコン教室などが不要になるという。

 大学などでは、専用のパソコン教室を各キャンパスや建物ごとに整備することが多く、運用維持費や数年ごとに行う最新モデルへの入れ替えコストの増加が深刻な課題となりつつあるという。学生個人所有の持込み端末の利用を許可する「BYOD(Bring Your Own Device)」の採用も注目されているが、セキュリティー対策やOSの多様化による制約などの問題から、導入は進みにくい。

 そうした状況を受け、ユニアデックスは学校外のデータセンターで運用するクラウド上に、仮想的なパソコン教室機能を搭載した「クラウド型パソコン教室サービス」の販売を開始。クラウド上にパソコン教室環境を構築することで従来の専用パソコン教室を撤廃でき、パソコンの故障やソフトウエアメンテナンスなどに対応する専任ITスタッフも不要になるという。

 また、学生個人が所有するノートパソコンやタブレット端末などを持ち込んで授業や自習で活用することが可能に。学生は、個人所有の端末からWebブラウザを用いて仮想デスクトップにログインするだけで、学内のどの教室からでも授業などで利用するソフトウエアが搭載されたデスクトップ環境を利用できるという。

 仮想デスクトップは、「授業用」と「自習用」に分類でき、一般教室などにおいてもパソコンを用いた授業が可能になる。授業で使わない時間帯は「自習用デスクトップ」として開放し、場所を問わず利用を促進するなど、グループ学習の促進といった学習環境の改革も期待される。

 東京農工大学では先行して4月よりサービスを導入しており、学内にあった約500台規模のパソコン教室の撤廃や、学生全員が個人所有のパソコンを使って授業や自習を行うなど利用効果が見られているという。

 費用は、仮想デスクトップを同時利用するパソコン台数に応じて月額定額料金がかかる。たとえば500台の仮想パソコン教室の場合、1台あたりの料金は月額8,500円(税別)から。そのほか回線料金や搭載するソフトウエア費用などが別途必要となる。

 今後、大学のみならず小・中学校や高校においてもプログラミング学習などパソコンを使った授業の増加が予想される。同サービスの活用は、設備投資を抑えつつそうした授業形態に迅速に対応することを可能にするという。
《畑山望》

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