学習院に52年ぶりの新学部、社会科学の視点からアプローチしてこそ真のグローバル人材が育成できる

 歴史と伝統を継承しつつ、一貫教育を行う私立学校として確固たる地位を築き多くの優れた人材を輩出してきた学習院が2016年4月、大学に「国際社会科学部」を新設した。

教育・受験 高校生
PR
学習院大学 国際社会科学部
  • 学習院大学 国際社会科学部
  • 4年間のカリキュラム概念図
  • 5つの社会科学の分野
  • 学習院大学 国際社会科学部
  • 学習院大学 国際社会科学部
  • 学習院大学 国際社会科学部
  • 学習院大学 国際社会科学部
  • 学習院 目白キャンパス
 学習院の起源は、1847年の京都御所への学問所設置に遡る。歴史と伝統を継承しつつ、一貫教育を行う私立学校として確固たる地位を築き多くの優れた人材を輩出してきた学習院が2016年4月、大学に「国際社会科学部(Faculty of International Social Sciences)」を新設。一般入試の志願者数は2,000名を超え、約200名の新入生が「第1期生」として入学した。学習院大学の新学部創設は、1964年以来、実に52年ぶりである。

 今回開設された国際社会科学部は、法律、経済学、経営学、地域研究、社会学の5つの分野の視点より、国際社会について分析・研究する学部である。そのため、「コミュニケーション手段としての英語」「分析手段としての社会科学の手法」を、学部在学中の4年間で学生たちにしっかりと教授していくという。

 学習院大学が国際社会科学部を創設した背景には、急激に進む日本の国際化と、そこで活躍できるグローバルな人材が多くの企業で求められているという点があげられる。こうしたニーズの高まりに対応すべく、国際社会科学部では「CLIL(クリル)アプローチ」による教育システムを取り入れた。

 CLILとはContent and Language Integrated Learningの略で、専門科目と語学学習の融合のこと。そのため、単に英語の4技能(聞く・話す・読む・書く)を磨くだけでなく、年次を進むごとに「語学としての英語」から「社会科学の手法を学ぶ英語」の学習ができるよう橋渡し的な授業が行われ、最終的に国際ビジネス社会で活動するうえで必要とされる科目の習得が可能なカリキュラム構成となっている。

 これらの英語の授業は、留学生に対しても広く開かれているため、日本人学生と留学生との間の国際交流の機会が生まれることも想定されている。また、卒業要件として4週間以上の海外研修への参加が義務付けられており、提携している協定校は現在、14か国61校にのぼる。

 こうした学習を可能とするのが、国際色豊かな教授陣だ。国際社会科学部の専任教員は18名で、このうち学習院大学の中からリクルートされた教員は、語学の専任教員の1名のみ。残りの教員はすべて公募をベースに、学習院大学以外の大学や研究機関から採用、18名中16名は海外で学位を取得しており、18名中6名が日本以外の国籍の人材である。

 グローバル社会で活躍するためには、英語の技能を習得したり、異文化への関心を高めたりするだけでは不十分である。学習院大学がこの新学部の開設で目指すのは、国際社会が抱える問題を的確にとらえ、それらの問題を解決する具体的な方策を提示できるような、真のグローバル人材の輩出なのである。

 末廣昭 国際社会科学部 学部長は学生たちに、国際人として「国際社会が直面するさまざまな問題に、旺盛な知的好奇心を持ってほしい」「自分以外の人々の喜び、悲しみに共感できる柔軟な感性を持ってほしい」「国際社会が直面する問題を解決するために、一歩前に出る勇気を持ってほしい」ーーこの3つを大切にしてほしいと語る。

 なお、10月22日にはオープンキャンパスが開催される。12時からはオープンキャンパスの特別企画として、国際社会科学部の伊藤元重教授による特別公演が開かれる。テーマは「世界と日本の経済の見方」。14時から14時30分、16時から16時30分にはそれぞれ学部説明会が行われる予定だ。また、14時45分から15時25分の模擬講義は日本語と英語の2言語で開催され、さまざまな経済・社会現象を社会科学の手法で分析する授業や、CLILを取り入れた授業を体験できる。

 11月6日にはオープンキャンパス2016「学部説明会特化編」が開催される。学部ごとの説明会のほか、予備校講師による入試対策講座も実施。個別相談コーナーも設置される予定だ。

学習院大学オープンキャンパス2016
日時:2016年10月22日(土)13:30~17:00
全学部 全学科

◆オープンキャンパス2016「学部説明会特化編」
日時:2016年11月6日(日)10:00~18:00

◆学習院大学一般入試
出願期間:2017年1月5日(木)~1月26日(木)
 期間内消印有効、1月27日(金)に限り窓口受付
試験日:
 経済学部 2月6日(月)
 理学部 2月7日(火)
 文学部 2月9日(木)
 法学部 2月10日(金)
 国際社会科学部 2月11日(土)
*国際社会科学部のB方式試験では、英語の筆記試験に代えて、出願時に提出する外部の英語資格・検定試験(4技能)の成績を、換算表により英語の得点に換算する方式をとっている。英検およびケンブリッジ英検以外の各スコアは、出願時に取得後2年以内(平成27年1月以降取得)のものを有効とする。換算表は学習院大学のWebサイトを確認のこと。
《鶴田雅美》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top