社会人のMOOC利用率は微増、未経験者の利用意向も4割以上

 社会人のMOOC利用経験者は昨年調査より2.8ポイント増の5.4%で、未経験者における利用意向率は44.5%と、約半数の人がMOOCでの学習を経験もしくは希望していることが「大学のオープン化に関する調査」により明らかになった。

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MOOCの利用経験・利用意向(N=1191)
  • MOOCの利用経験・利用意向(N=1191)
  • MOOCの取組みの評価(N=1191)
  • 学習したい希望分野(全体)(複数回答 N=716)
  • 学習したい希望分野(男女別)
  • 「対面学習コース」の受講意向(N=64)
  • 「対面学習コース」を受講したい理由(複数回答 N=48)
  • 修了証の必要性の可否(N=594)
  • 修了証の認定を必要とする理由(複数回答 N=470)
 社会人のMOOC利用経験者は昨年調査より2.8ポイント増の5.4%で、未経験者における利用意向率は44.5%と、約半数の人がMOOCでの学習を経験もしくは希望していることが「大学のオープン化に関する調査」により明らかになった。

 「大学のオープン化に関する調査」は、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(NTTコム オンライン)と日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)が共同で実施。「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象に、非公開型のインターネットアンケートにより行った。有効回答者数は1,191名。調査期間は9月6日~10月10日。

 2014年4月から日本でも取組みが始まったMOOCは、大学の講義などを無償で学べるオンライン講座。講義を閲覧・学習後、課されたテストや課題について修了条件を満たした学習者には修了証が発行される。

 MOOCの利用経験者は2015年調査の2.6%から2.8ポイント増の5.4%。未経験者の45%が「利用したいと思う」と回答しており、利用経験者と今後の利用希望者を合わせると約半数にのぼる。MOOCへの評価は、84%が「非常に良いと思う」「良いと思う」と回答している。

 希望する学習分野は「歴史」が28.4%ともっとも多く、ついで「心理学」28.2%、「経済学&金融」25.3%、「音楽、映画」24.3%、「芸術」22.8%となった。上位10分野は2015年度調査と同じ顔ぶれとなり、普遍的な傾向であることがうかがえる。男女別に見ると、男性は「歴史」のほか、「経済学&金融」「情報、テクノロジー&デザイン」などビジネス・実学系、女性は「心理学」のほか、「芸術」「音楽、映画」など生活に密着した分野への関心が高かった。

 日本のMOOCでは講座全体の約4割に、講義動画受講後に講師本人から直接講義が受けられる「対面学習コース」が設定されている。対面学習を「ぜひ受講したい」「できれば受講したい」と考えている人は、2015年度より6ポイント増の75%。「わからないことを直接先生に質問できる」「先生から直接講義が受けられる」「同じテーマに興味を持つ受講生と議論ができる」「同じテーマに興味を持つ受講生と議論ができる」などの理由があげられた。

 MOOCで修了証が発行されることについて、79.1%が「まあまあ必要」「とても必要」と回答し、必要性を感じていた。理由は、「勉強するモチベーションが上がるから」が71.7%で最多となった。

 社会人になってからの「学び直し(学生時代に専攻した科目について)」を経験した人は16.7%と少ないが、今後学びなおしたいと考えている人36.3%と合わせると46.9%が「学び直し」を経験もしくは検討していることがわかった。希望する学び直しの手段は、無料のWeb講座が60.8%、書物による自主学習が58.3%だった。

 また、「学び直し」に限らず、社会人になってからの研修や通信教育、スクールなどでの学習機会全般では、過去および現在の受講者が29.6%、今後の受講意向者と合わせると44.8%となった。機会があれば取得したい能力・知識は「語学に関する知識」「PCを含むIT関連の知識」への希望が高く、具体的な資格では「TOEIC」が圧倒的に高かった。
《外岡紘代》

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