競争激化の学習塾業界、生き残りのカギは…タウンページが分析

 NTTタウンページは12月21日、独自の視点で各業界の現状・課題を分析する「3分読めば解かる業界動向レポート」の発信を開始した。「学習塾業界動向」については、学習塾の生徒獲得競争が激化している現状と生き残りのカギを解説している。

教育・受験 その他
業界関連図:子どもが誕生し成人するまでに関わる教育サービスと売上規模
  • 業界関連図:子どもが誕生し成人するまでに関わる教育サービスと売上規模
  • 従業員規模別学習塾数推移
  • 学習塾経営状況
  • 英会話・語学学校業界市場規模
  • 3分読めば解かる業界動向レポート
 NTTタウンページは12月21日、独自の視点で各業界の現状・課題を分析する「3分読めば解かる業界動向レポート」の発信を開始した。「学習塾業界動向」については、学習塾の生徒獲得競争が激化している現状と生き残りのカギを解説している。

 「3分読めば解かる業界動向レポート」は、同社が「タウンページ」および「iタウンページ」に掲載されているさまざまな業界の広告の状況(件数、金額、広告内容)から、販促・集客を目的として「変化の兆し」を可視化し、それがどのように起こっているのか調査・分析。さらにこれに対してどのように対処したらよいのかをわかりやすく解説したもの。毎月1回Webサイトに掲載し、無料で閲覧できる。

 「学習塾業界動向」については、2020年度の大学入試改革や次期学習指導要領の改訂などに伴い、さまざまな変化が求められている学習塾の状況や課題をレポートしている。

 子どもの数が減少し、子ども一人にかける教育が加熱している中で、子どもが成人するまでに関わる教育サービスにおいては学習塾への投資額が多くみられるという。もともと個人経営塾が多かったが、大手学習塾のフランチャイズ化が拡大し個別学習指導型が定着、生徒獲得の広告宣伝費が増加している影響などから、個人経営塾の数は年々減少。塾の生徒募集広告のメインはチラシで、そのほかは口コミが多い。

 また、2020年度の大学入試改革における英語4技能評価への変更や、小学5・6年生の外国語活動を正式教科とするなど、早期での英語教育のニーズが高まる中で学習塾と英会話学校間の競争も激化。英会話教室が大学入試対策などのカリキュラムを充実させたり、学習塾が英会話教室を買収し英語学習に力を入れ始めたりするなど、状況は変化しているという。

 NTTタウンページは、競争に負けて消え去る塾が多くなっている中で生き残るために重要なのは、自社の特徴や強みを分析・理解し、Webサイトなどの情報発信ツールを充実させることだと指摘。最近の保護者は子どもに合った塾を選ぶために、複数の塾からパンフレットを取り寄せ、違いを吟味したうえで塾を選ぶ。特に個人経営塾では、塾長の方針や指導経験、少人数で生徒とのコミュニケーション充実などが大きな強みであり、生徒募集の基本となる5つの情報を充実させるようアドバイスしている。

 また最近では、イトクロが運営する「塾ナビ」などの塾選びポータルサイトの認知が高まっており、保護者の情報入手経路がインターネットへと変化している。こうした傾向に素早く対応するとともに、学習塾側の意図と生徒側のニーズが合う「良い出会い」のためにも、学習塾はWebサイトやポータルサイトを上手に活用することが、まさに生き残り策であると伝えている。
《荻田和子》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top