【中学受験2017】どうなる首都圏入試? 傾向と人気校の倍率・偏差値(まとめ)

 首都圏の中学受験が本番を迎え、2月上旬に多くの中学校が入試を実施する。東京・神奈川の中学入試解禁日は毎年2月1日に設定されており、難関校の入試は1日と2日に集中する。

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  • 【2017 中学受験】SAPIX 男子 偏差値(2016年12月)
  • 【2017 中学受験】SAPIX 女子 偏差値(2016年12月)
 首都圏の中学受験が本番を迎え、2月上旬に多くの中学校が入試を実施する。東京・神奈川の中学入試解禁日は毎年2月1日に設定されており、難関校の入試は1日と2日に集中する。

◆受験パターンの多様化

 最近の中学入試の傾向としては、複数回の入試を設定し、その機会の多さや受験しやすさから多くの受験生を集める学校が増えてきている。また、午後入試が定着し、1日2回入試を行う学校もあり、受験パターンが多様化してきている。

 ここ数年、受験者数の増加で注目される広尾学園は、12月実施の「国際生」のほか、2月1日の第1回(午前)、第2回(午後)、2月2日の医進・サイエンス回、インターAG回、2月5日の第3回と6回の入試を行い、第1回は前日まで、その他は入試当日まで出願を受け付けるなど柔軟に対応する。

◆インターネットの活用

 インターネット合格発表校は年々増加しており、即日、合否が確認できる学校も増えてきている。たとえば2月1日入試校が第1志望の受験生は、当日中に合格が確認できれば、2日以降の併願校を受験せずに済み、早期に受験を終了することができる。豊島岡女子学園、世田谷学園、攻玉社、洗足学園などの難関校も即日、インターネットで合格発表を行う。

 大学入試では一般的となったWeb(インターネット)による願書受付は、中学受験においても対応校が増加してきている。一方で、未だ窓口のみで受付を行う学校もある。たとえば、桜蔭と女子学院は郵送での受付を行っておらず、麻布も「願書はなるべく持参するように」としている。

◆難関校の偏差値と倍率

 東京・神奈川の難関校の倍率を見ていこう。あわせて偏差値【首都圏模試センター・SAPIX小学部】も示す(※1)。

 栄光は、2015年の3.7倍、2016年の3.5倍から2017年は4.0倍と、過去3年間で最高倍率。一方で同じ神奈川で同日入試の聖光(1回)は、2015年の4.4倍、2016年の4.2倍から4.0倍と微減。開成、麻布はほぼ例年どおりの倍率となっている。

 女子学院は2015年の4.0倍から、2016年の2.9倍、2017年の2.8倍と減少傾向にあるが、2015年はサンデーショック(※2)により一時的に志願者が増加したと考えられる。

 最上位層の難関校の1日、2日の入試では、男子は3~4倍、女子は2~3倍程度が多く、目立った高倍率とはならないが、成績上位層が集中することから、倍率にかかわらず、厳しい入試が予想される。

<男子校>
開成【偏差値:首都圏模試77・SAPIX66】定員300名・応募者1,195名・4.0倍
聖光学院(1回)【76・64】定員175名・応募者695名・4.0倍
栄光学園【75・60】定員180名・応募者713名・4.0倍
駒場東邦【74・61】定員240名・応募者532名・2.2倍
麻布【74・60】定員300名・応募者967名・3.2倍

<女子校>
桜蔭【76・62】定員240名・応募者516名・2.2倍
女子学院【74・60】定員240名・応募者676名・2.8倍
雙葉【73・58】定員100名・応募者366名・3.7倍
フェリス【71・55】定員180名・応募者422名・2.3倍

◆大学附属校の人気

 今年の中学受験の傾向を聞いた11月の取材では、サピックス小学部と四谷大塚は、特に附属校志向の高まりをあげていた。人気附属校の一部の志願倍率と偏差値を見ていこう。

 早慶では、1日校の倍率に大きな変化は見られないが、3日の慶應義塾中等部の女子で、昨年の7.9倍より0.5ポイント高い8.4倍と高倍率。青山学院は、2015年4.1倍、2016年5.9倍からさらに倍率が上がり6.1倍。明治大学付属明治は、2015年の7.3倍、2016年の7.2倍から2017年は7.5倍と、過去3年間で最高倍率となった。

<2月1日入試>
慶應義塾普通部【73・57】定員(男)約180名・応募者566名・3.1倍
早稲田実業学校【72・58】定員(女)40名・応募者195名・4.9倍
早稲田(1回)【72・57】定員(男)200名・応募者787名・3.9倍
早稲田実業学校【72・54】定員(男)85名・応募者344名・4.0倍
早稲田高等学院【69・53】定員(男)120名・応募者407名・3.4倍
立教女学院【65・-】定員(女)約110名・応募者288名・2.6倍
中央大学附属(1回)【64・-】定員(男女)100名・応募者(男)182名/(女)226名・4.1倍
中央大学附属横浜(1回)【63/65・-】定員(男女)80名・応募者(男)230名/(女)259名・6.1倍
法政大学(1回)【61/64・-】定員(男女)約50名・応募者272名・5.4倍

<2月2日入試>
慶應義塾湘南藤沢【72・58/60】定員(男女)約120名・応募者(男)319名/(女)320名・5.3倍
明治大学付属明治(1回)【67/69・53】定員(男女)約90名・応募者(男)377名/(女)302名・7.5倍
立教池袋(1回)【65・-】定員(男)約50名・応募者236名・4.7倍
青山学院【64/68・-/54】定員(男女)約140名・応募者(男)360名/(女)497名・6.1倍

<2月3日入試>
慶應義塾中等部【74・63】定員(女)約50名・応募者420名・8.4倍
慶應義塾中等部【71・56】定員(男)約140名・応募者851名・6.1倍

※1 志願者数は日能研入試情報の「倍率速報」を参考にした。
 偏差値は「首都圏模試センター:1月更新の2017年予想偏差値」と「SAPIX小学部:第4回 12月4日(日)の合格力判定サピックスオープンの結果をもとにした2017年中学入試 予想偏差値」より掲載。いずれもWebで公開されている情報に基づいて掲載した。情報が公開されていないものは「-」とした。共学校で男女別の定員がなく、偏差値が異なる場合は「男/女」と示した。
※2 入試日の2月1日が日曜日にあたるため、プロテスタントの女子学院が2月2日に入試日を変更することにより桜蔭と女子学院を併願可能になる。
《田村麻里子》

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