大学入試センターは2月2日、平成29年度(2017年度)大学入試センター試験の実施結果概要(最終)を公表した。志願者数は57万5,967人、受験者数は54万7,892人。直近5年間のデータとあわせ、平成29年度センター試験の志願者データを振り返る。◆平成29年度(2017年度)大学入試センター試験志願者数:57万5,967人受験者数:54万7,892人受験率:95.1%現役志願率:43.9%(過去最高)平均受験科目数:5.55科目センター試験参加大学数:848大学(国立大82、公立大86、私立大526、公立短大15、私立短大139) 平成29年度(2017年度)センター試験の志願者数は57万5,967人で、前年度の56万3,768人比較すると1万2,199人減。受験者数は54万7,892人、受験率は95.1%だった。直近5年間における受験者数・志願者数の推移は平成29年度が最多となった。なお、平成25年度(2013年度)センター試験は、一時的な出生数増(平成6年生まれ)の影響を受け、平成24年度(2012年度)と比較すると平成25年度は約1.7万人増となった。◆高まる現役志願率、理由は? 5年間の推移で順調に増加しているのは、高校卒業見込者数全体のうち、センター試験現役志願者数が占める割合を示す「現役志願率」。平成29年度は、平成28年度から0.5ポイント上昇し、過去最高の43.9%を記録した。 河合塾は、現役志願率の高まりについて「近年は国公立大の推薦・AO入試でセンター試験を利用する大学が増えていることもあり、センター試験を受験する層が拡大しているとみられる」とコメントしている。◆平均点数確定、日本史B・英語リスニングは直近5年間で最低 平成27年度センター試験は、数学と理科が新学習指導要領に基づいて出題されたことで、旧教育課程履修者のための経過措置が講じられた。平成28年度以降は、すべて新課程から出題されている。 直近5年間の平均点推移を示すため、受験者数が多い科目であることと、新課程と旧課程からの出題があった平成27年度を境に各教科・科目をピックアップし、まとめた。数学は「数1(数学I・数学A)」と「数2(数学II・B)」をピックアップ(図参照)。地歴公民では「世界史B」「日本史B」「地理B」を抜き出した。理科は、新課程に以降してからの平均点を比較するため、平成28年度と平成29年度を比較した。 直近5年間の平均点をみると、平成29年度は日本史Bの平均点がもっとも低い59.29点となった。英語・リスニングは28.11点(100点満点換算で56.22点)と、直近5年間では過去最低。政治・経済は平成26年度以降上昇しており、平成29年度は直近5年間で最高の63.01点となった。◆受験生は2次試験へ 文部科学省が2月1日に発表した平成29年度の国公立大学の入学者選抜の志願状況によると、平成29年度の国公立大志願者数合計は45万5,509人。志願受付はすでに締め切っており、確定志願者数は2月14日午後2時ごろに発表される予定。前期日程試験は2月25日から、中期日程試験は3月8日以降、後期日程試験は3月12日以降に実施される。 平成25年度は、大学入試センター試験の志願者数は57万3,344人と多かったにも関わらず、国公立大学2次志願者は34万4,623人で平成24年度同時点と比べて9,490人の減少があった。原因は、センター試験が難しかったため、2次出願を控えた受験生が多いと考えられている(2013年度河合塾情報による)。◆平成29年度大学入試センター試験の平均点数平成29年2月2日確定時点※( )内の数値は100点満点に換算したもの国語:106.96(53.48)地理歴史 世界史A:42.83 世界史B:65.44 日本史A:37.47 日本史B:59.29 地理A:57.08 地理B:62.34公民 現代社会:57.41 倫理:54.66 政治・経済:63.01 倫理、政治・経済:66.63数学数学(1) 数学I:34.02 数学I・数学A:61.12数学(2) 数学II:25.11 数学II・数学B:52.07 簿記・会計:49.83 情報関係基礎:54.94理科理科(1) 物理基礎:29.69(59.38) 化学基礎:28.59(57.18) 生物基礎:39.47(78.94) 地学基礎:32.50(65.00)理科(2) 物理:62.88 化学:51.94 生物:68.97 地学:53.77外国語筆記 英語:123.73(61.86) ドイツ語:128.66(64.33) フランス語:142.60(71.30) 中国語:164.91(82.45) 韓国語:128.95(64.47)リスニング 英語:28.11(56.22)