NTT「勝つための脳を鍛える」プロジェクトに東大・慶應野球部が協力

 NTTが1月に発足した「勝つための脳を鍛える」スポーツ脳科学(SBS)プロジェクト。第1弾の研究として東京大学と慶應義塾大学の野球部の協力のもと、多様な能力を持つアスリートのパフォーマンスと、脳情報処理の特性の関係を明らかにする研究を本格的に開始する。

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 NTTが1月に発足した「勝つための脳を鍛える」スポーツ脳科学(SBS)プロジェクト。第1弾の研究として東京大学と慶應義塾大学の野球部の協力のもと、多様な能力を持つアスリートのパフォーマンスと、脳情報処理の特性の関係を明らかにする研究を本格的に開始する。

 NTTは、AI関連技術の研究開発の一環として、スポーツにおける「心」と「技」を鍛える新しいトレーニング法の確立を目指すスポーツ脳科学プロジェクト(SBS)を発足。従来、スポーツ科学のアプローチとして「体」のメカニズム解明に焦点が当てられ、「技・心」のメカニズムは科学的に解明されていない部分が多くある。そのため、SBSプロジェクトでは、NTTの研究所で長年培ってきた脳科学的な研究アプローチと最先端の情報通信技術(ICT)を融合し、アスリートの潜在的な脳の働きを解明していく。

 研究では、東京大学運動会公式野球部と慶應義塾大学体育会野球部が協力。投手や打者のパフォーマンスと身体運動や筋活動、心拍数などの生体情報を同時に測定可能なブルペンを使って、脳情報処理における選手個人の特性とパフォーマンスを解析する。

 また、脳機能の評価には、眼球の動きから心理状態を読み取る独自の解析技術を活用。さらに、実戦での生体情報を計測し、選手の運動量変化では説明できない心拍数の変化をとらえる。そこから、メンタル状態と映像データやスコアデータから推定されるゲーム中の選手のパフォーマンスとの関係を解明していく。

 SBSプロジェクトでは今後、ジュニアからアマチュア、プロまでのさまざまなアスリートと連携し、潜在的な脳情報処理メカニズムの解明を目指す。研究で得られた知見は、野球以外にもテニス、バドミントン、格闘技など人対人が勝敗を分ける瞬間的な競技のパフォーマンス向上につながり、選手の能力発見、才能の早期発見など選手育成に役立つ。また、アスリートの脳を鍛え、パフォーマンス向上を支援する新しいトレーニング手法の確立につながるという。

 研究に関する内容は、2月16日~17日にNTT武蔵野研究開発センタで開催する「NTT R&Dフォーラム2017」で展示される。
《田中志実》

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