待機児童解消にも期待、公園利用状況と理想の公園とは

 キャップスアソシエーションが運営する「公園のチカラLAB編集室」は、全国の0~6歳の子育てをする女性約500名にアンケートを実施し、乳幼児・幼児が安心して遊べる公園に関する調査結果を発表した。

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公園のチカラLAB 乳幼児・幼児が安心して遊べる公園とは
  • 公園のチカラLAB 乳幼児・幼児が安心して遊べる公園とは
  • 公園のチカラLAB 子どもを育てるという観点でどんな公園であることが大切だと思いますか
  • 公園のチカラLAB 子どもを公園で遊ばせたくないと思うのはどんな場合ですか
  • 公園のチカラLAB 子どもを遊ばせるために、公園にあったらいいと思うのはどんな施設・整備ですか
 キャップスアソシエーションが運営する「公園のチカラLAB編集室」は、全国の0~6歳の子育てをする女性約500名にアンケートを実施し、乳幼児・幼児が安心して遊べる公園に関する調査結果を発表した。

 調査の背景としては、待機児童解消のために公園に保育所が設置できる規制緩和が全国に広がる動向や、公園での遊具事故の発生など、公園で遊ばせる際の安全・安心に注目が集まっているため、本調査を行ったとしている。

 調査の結果、都市公園では「子ども向け」とひとくくりにしては安全性を損なう可能性があるとしている。安心して乳幼児・幼児を遊ばせる公園にするためには、乳幼児(1歳~3歳未満)、幼児(3歳~6歳未満)と児童(6歳~12歳)の年齢別にエリアに分けるか、いずれかの年齢帯に重点を置いた検討・整備が必要だと指摘。特に乳幼児・幼児向けの施設・設備の拡充は母親からのニーズも高い傾向にあるとしている。

 公園の利用意欲と現実に関する調査では、公園で身体を動かすことは95%以上の人が大切だとするものの、実際に子どもを公園に週に1回以上連れて行く人は54%にとどまっていることが明らかになった。週1回以上連れて行かない理由としては、「近くに行きたくなるような魅力のある公園がない」が48.4%、「仕事などが忙しく、連れて行く時間がない」が31.5%となり、場所と時間の問題が全体の8割を占める結果となった。

 行きたくなる公園の調査では、複数選択の回答で、81.7%が「子どもを安心して遊ばせることができる公園」を選択。73.0%が「住んでいる近くにある身近な公園」を選択し、51.4%が「楽しい遊具のある公園」を選択している。「どの遊具や遊びでも必ず付き添う」という母親が56.3%を占め、77.5%が何らかの形で子どもに注意を払っている。安全・安心への気遣いはもちろんのことだが、楽しさ(遊具)や身近にある利便性も、魅力を感じる重要な要素としている。

 また、遊ばせたくない公園としては清潔感のなさやイメージの悪さが理由としてあげられた。57.2%が「鳩やカラスが群れていたり、犬や猫の糞がある」、50.5%が「ゴミ箱にゴミがあふれていたり、トイレに清潔感がない」、49.9%が「中高生がたむろしており雰囲気が悪い」と回答した。

 公園にあったらいいと思う施設・設備の調査では、61.7%が「幼児用トイレ」、59.3%が「幼児用の手洗い場や水飲み場」を選択した。基本設備のほかにも、49.5%が「乳幼児や幼児に限定した遊び場や遊具の設置」を選択し、直接的に乳幼児・幼児向けの設備や施設に関する要望が多く見られた。

 安全・安心の観点から小学生とのゾーン分けも求められており、乳幼児・幼児の利用に適したサイズのトイレや水飲み場などがあると、利用のしやすさや清潔感などのほかに、お母さんの介添えなしに「自分でさせる」という成長を促す面でメリットがあると考えられるとしている。

 監修者である、公園のチカラLAB特別アドバイザーで元玉川大学教育学部教授の荻須隆雄氏は「都市公園は『子ども』とひとくくりで考えるのは安全性を損なう可能性があります。特に乳幼児・幼児の子育ての場としては配慮が必要で、近隣の利用者だけでなく、保育所待機児童の解消のため、『園庭』を確保できない保育所・保育施設が増えており、近くにある都市公園を『園庭』として利用することが増えてくると考えられます。」とコメントしている。
《田口さとみ》

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