西武40000系、ベビーカー対応「大型フリースペース」確保

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40000系の報道公開に姿を現した西武ホールディングス社長・西武鉄道会長の後藤高志氏。「40000系は新しい装備・アイディアを満載した車両」と語った。
  • 40000系の報道公開に姿を現した西武ホールディングス社長・西武鉄道会長の後藤高志氏。「40000系は新しい装備・アイディアを満載した車両」と語った。
  • 40000系の編成図。
  • 40000系の主要諸元。
  • 40000系(第40102編成)の池袋線飯能方。写真先頭が1号車になる。
  • 40000系(第40102編成)の池袋線池袋方。写真先頭が10号車になる。
  • 1号車:40100形(Tc1)(40102)。池袋線飯能方・新宿線西武新宿方の先頭車になる。
  • 2号車:40200形(M1)(40202)。シングルアーム式パンタグラフとVVVFインバーター制御装置を搭載している。
  • 3号車:40300形(M2)(40302)。SIVとコンプレッサーを搭載している。
西武鉄道がこのほど報道公開した40000系は、1977年に登場した2000系電車の廃車計画に伴い、同車の代替車両として計画された。ロング・クロス転換やトイレなど、さまざまな機能・設備を盛り込んでおり、通勤から観光まで多種多様な利用シーンに対応しているのが特徴だ。

40000系は、「スマイルトレイン」こと30000系電車の後継となる新型通勤車両。コンセプトは「人にやさしい、みんなと共に進む電車」だ。とくに本年度製造分の20両(10両編成2本)は、さまざまなサービス設備が「てんこ盛り」。西武は「これからの100年に向けて走り出す『最も進化した通勤車両』」と豪語する。車両専門チームと、電車の知識がない20代の若手社員を中心としたプロジェクトチームで検討し、車両の仕様が決められたという。

編成構成は、モーター付き5両(2・3・5・8・9号車)とモーター無し5両(1・4・6・7・10号車)。パンタグラフと制御装置は2・5・8号車、補助電源装置は3・9号車に搭載されている。

車体はアルミダブルスキン構体を採用。直通先の東京地下鉄(東京メトロ)有楽町線・副都心線方面にある幅の狭いトンネルに入れるよう、車体の幅は30000系より狭い2808mmとし、車体上部の膨らみがない構造となっている。編成両端の先頭部には非常用の扉も設け、地下鉄での運行に対応している。

■ロング・クロス転換機能は3モード

車内の座席は、ロングシート・クロスシートの転換機能を搭載。ただし、車両の端部にある座席はロングシートで固定されている。座席転換は「ロングシート」「クロスシート(上り向き)」「クロスシート(下り向き)」の3モードで、運転台に設置されたタッチ画面で一斉転換することができる。タッチ画面で「転換許可」を選択すると、各車両に設置された操作スイッチで転換することも可能だ。

クロスシート時には、利用者が座席下にある足踏みペダルを使い、個別に上り向き・下り向きに変えることができる。4人用ボックス席のような配置が可能で、グループ客にも対応している。座席の背面には傘掛けや飲物のホルダーを設置。壁の下部にはコンセントがあり、スマートフォンを充電したり、ノートパソコンを使用したりすることができる。

車両端部の固定ロングシートにも収納式の肘掛けが設置されており、肘掛けの下にコンセントが設けられている。ロングシート時にコンセントを使いたいなら、車両端部の席を使うのがいいだろう。このほか、3月25日から運行を開始する4社直通の有料座席指定列車『S-TRAIN』での運用に対応するため、荷物棚には座席番号表示が取り付けられた。

■通勤電車だけどトイレあり

4号車にはバリアフリーに対応したトイレが設けられており、便器の脇にはベビーベッドも設置されている。『S-TRAIN』は西武の40000系だけを使用し、直通先の東京メトロ・東京急行電鉄(東急)・横浜高速鉄道3社の車両は使用しないが、その主な理由としてトイレの問題がある。

西武は10000系特急形電車「ニューレッドアロー」などトイレ付きの車両を古くから運用しており、車両基地にはトイレタンクから抜き出した汚物を処理する施設も設けられている。その一方、『S-TRAIN』が乗り入れる3社はトイレ付きの車両を所有しておらず、車両基地にも汚物処理施設がない。3社が『S-TRAIN』用の車両を新造する場合、車両基地の改修も必要になる。

トイレなしの車両を新造して『S-TRAIN』で運用してもいいのではないかと思うが、『S-TRAIN』の最長運転時間は西武秩父17時05分発~元町・中華街19時38分着の『S-TRAIN4号』(2時間33分)。さすがに2時間を超えると、トイレなしの車両で移動するのはつらいところだ。

「直通先の各社も『S-TRAIN』用の(40000系のような)車両を導入したいという思いはあるようだ」(西武関係者)というが、仮に実現するとしても、かなり先の話になりそうだ。

■独特な配置が目玉の「パートナーゾーン」

10号車には、車椅子やベビーカー、大きな荷物を持った利用者に対応した大型フリースペース「パートナーゾーン」を確保。運転台方の一つ目のドアから二つ目のドアの間のスペースを広く取り、車椅子固定器具と簡易座席を一体化した設備を設けた。この設備は車体壁側ではなく中央部に設置されるという、独特な配置だ。この部分の窓は下方に拡大した大型窓となっており、背の低い子供でも外の景色が見えやすくなっている。

このほか、車内保温を考慮し、ドアはボタン式の半自動ドアを採用。プラズマクラスター空気清浄機や、無料で利用できる公衆無線LANのアクセスポイントも各車両に設置されている。

ドア上部には、近年の新型通勤車両と同様、液晶ディスプレイの情報表示装置が設置されており、2画面のうち1画面で広告表示を行う。第40101・40102編成は、天井にも広告用の表示装置を枕木方向に設置。これにより中づり広告を廃止する。車内の情報表示装置の1編成の総数は、ドア上設置と天井設置をあわせて236面になるという。

西武鉄道は本年度から2019年度にかけ、40000系を80両(10両編成8本)導入する予定。ただし、2017年度以降の60両(10両編成6本)は天井の情報表示装置を設置せず、中づり広告に変わる。このうち20両(10両編成2本)はロング・クロス転換機能も搭載せず、ロングシートの固定座席になる予定だ。

あらゆる設備が「てんこ盛り」…多種多様なシーンに対応した西武40000系

《草町義和@レスポンス》

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