都内の保育士賃金、キャリアアップ補助金で月額2万3,299円増

 東京都は2月20日、保育士等キャリアアップ補助金による賃金改善実績などについて集計結果を取りまとめ公表した。集計結果によると、常勤職員の賃金改善月額は2万3,299円で、賃金平均は28万7,321円。平均勤続年数は「3年」が最多だった。

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保育士等キャリアアップ補助金 賃金改善月額と賃金月額(常勤・非常勤)
  • 保育士等キャリアアップ補助金 賃金改善月額と賃金月額(常勤・非常勤)
  • 保育士等キャリアアップ補助金 賃金改善月額と賃金月額(設置主体別)
  • 保育士等キャリアアップ補助金 平均勤続年数別施設数
  • 保育士等キャリアアップ補助金 費目別の事業活動支出額・割合
  • 保育士等キャリアアップ補助金 費目別の事業活動支出額・割合(社会福祉法人と株式会社の比較)
 東京都は2月20日、保育士等キャリアアップ補助金による賃金改善実績などについて集計結果を取りまとめ公表した。集計結果によると、常勤職員の賃金改善月額は2万3,299円で、賃金平均は28万7,321円。平均勤続年数は「3年」が最多だった。

 東京都は平成27年度に「保育士等キャリアアップ補助金」を創設し、保育士などのキャリアパスの仕組みの導入に取り組む保育事業者を支援している。このほど、保育士などの処遇改善の状況を把握し、より効果的な支援策を検討していくため、補助金の交付施設から提出された平成27年度分の報告書について集計・分析を行った。集計対象は、認可保育所876施設、認証保育所573施設などを含む1,683施設、集計基準日は平成28年9月1日。

 キャリアアップ補助による全施設・事業の保育従事者の賃金改善月額と賃金月額の平均額をみると、常勤職員が月額2万3,299円の賃金改善を受けて平均28万7,321円に、非常勤職員が月額1万1,588円の賃金改善を受けて平均17万6,509円となった。

 施設の設置主体別の賃金改善月額(常勤職員)では、社会福祉法人が2万74円、株式会社が2万5,203円、そのほかの設置主体が1万6,298円。賃金月額については、社会福祉法人が32万3,919円、株式会社が26万833円、そのほかの設置主体が17万3,188円となっている。

 常勤職員の平均勤続年数をみると、もっとも多いのは「3年」202施設だった。そのほか、「4年」197施設、「2年」163施設、「5年」153施設、「6年」148施設など。施設・事業区分による差もあり、認可保育所は「10年」、認証保育所は「3年」、認定こども園は「8年」「9年」、小規模保育事業は「5年」が最多となっている。

 全施設・事業の事業活動収入に占める費目別の支出額割合は、人件費が64.2%ともっとも多く、事業費支出が9.2%、事務費支出が14.6%だった。

 また、認可保育所の設置主体で大きな割合を占めている社会福祉法人と株式会社について、定員数および職員の平均勤続年数を同じ条件で比較したところ、もっとも差があったのは人件費支出だった。社会福祉法人が62.3%だったのに対し、株式会社は55.6%と6.7ポイントの差があった。ついで差がみられた土地・建物賃借料支出では、社会福祉法人が4.8%、株式会社が10.3%となっている。
《黄金崎綾乃》

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