日本人生徒、自分は「創造的」8%…ネット重要性の認識は低い傾向

 アドビシステムズの調査によると、12歳から18歳までの日本の「Z世代」は自分たちを「創造的」とは捉えておらず、自らを「創造的」と回答した生徒はわずか8%に留まっていることがわかった。

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日本のZ世代は世界に比べて「創造的」ではない?自らを「創造的」と回答した生徒はわずか8%
  • 日本のZ世代は世界に比べて「創造的」ではない?自らを「創造的」と回答した生徒はわずか8%
  • Z世代と過去の世代の学習方法における優先度(やや重要、とても重要を選んだ教師の割合)
  • Z世代と過去の世代の学習方法における優先度/実際の学習方法(やや重要、とても重要を選んだ教師の割合と、たまにある。いつもを選んだ生徒の割合)
  • 将来の就職におけるネット上の行動の重要性(左) ネット上でのポートフォリオ作成状況(右)
 アドビシステムズの調査によると、12歳から18歳までの日本の「Z世代」は自分たちを「創造的」とは捉えておらず、自らを「創造的」と回答した生徒はわずか8%に留まっていることがわかった。

 調査「Gen Z in the Classroom: Creating the Future(教室でのZ世代:未来を作る)」は、アドビがEdelman Intelligenceに委託し実施した調査。12歳から18歳の「Z世代」に当たる日本人生徒500人とZ世代を教える200人の教師を対象に、オンラインで実施したもの。調査機関は5月26日から6月1日。日本以外のアメリカ、イギリス、オーストラリア、ドイツのZ世代は11歳から17歳と定義し、各国の回答を比較した。

 調査によると、日本の生徒と教師はいずれも「Z世代」を「創造的」だとは捉えておらず、回答の割合は生徒8%、教師2%に留まった。自分のことを創造的だと回答した生徒の割合は、アメリカ47%、イギリス37%、オーストラリア46%、ドイツ44%。

 将来、自分は何かを作る創造的な仕事をしていると思うか聞くと、日本は43%がそう思うと回答。一方、グローバル平均は78%だった。また、創造性が求められる仕事は一握りと答えた割合はグローバル平均が24%だったのに対し、日本は69%だった。

 学習方法について聞くと、日本は生徒の85%が「事実や歴史を暗記する」座学が中心と回答。デジタルメディアを使う機会があると回答した生徒は55%だったが、グローバル平均では7、8割の回答があった。

 アクティブラーニングや実習・演習が効果的であると考えているかについては、日本の生徒は35%が効果的であると認識しているものの、アメリカ78%、イギリス65%、オーストラリア74%と比較すると低い傾向にある。同項目について、ドイツは43%だった。

 将来の就職におけるネットの重要性について聞くと、日本の生徒はネット上の行動の重要性が「やや重要」「とても重要」と回答したのが39%だった。一方、アメリカ、イギリス、オーストラリアは80%以上、ドイツは73%以上と、自分のネット上での行動や発言などが将来の就職先にどのように思われるか考えることは重要だとしていることがわかった。

 調査から、アドビは日本国内では「『創造的であること』は特別なこと、限られた人のことを指すと考えている可能性が高い」と分析。創造性を養うための教育現場向けツールや仕組みを提供できるよう、フォーラムやWebサイトでの情報提供を行うとしている。調査全文はアドビのWebサイトで閲覧できる。
《佐藤亜希》

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