熱帯びる「プログラミング」 ライフイズテックのサマーキャンプに小泉進次郎も挑戦

 ライフイズテックは夏休みの期間中、全国の大学や専門学校を会場に、中高生のためのIT・プログラミングサマーキャンプ2017を実施している。7月26日は、衆議院議員の小泉進次郎氏が東京大学本郷キャンパス福武ホールのサマーキャンプを視察した。

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5日間のキャンプのうち、2日をかけて作成したチームごとの動画成果を全員で視聴。笑顔と歓声、拍手が絶えない会場だった 
  • 5日間のキャンプのうち、2日をかけて作成したチームごとの動画成果を全員で視聴。笑顔と歓声、拍手が絶えない会場だった 
  • ライフイズテック代表取締役CEOの水野雄介氏(左)が視察に訪れた衆議院議員・小泉進次郎氏(右)にサマーキャンプをガイドした
  • iPhoneアプリの制作体験に挑戦する小泉進次郎氏。参加生徒を「先輩」と仰ぎ、プログラミングについて解説してもらう場面も
  • Minecraftコースの中学2年生から、Minecraftについて説明を受ける小泉氏。明瞭な回答と解説に「説明能力が高いね!」と驚く場面も。何かを作る楽しみや今自分が行っていることを熱心に話すようすに、小泉氏は深い感銘を受けていた
  • 各チームには「メンター」と呼ばれる担任スタッフが1名つく。手取り足取り教えるのではなく、よき相談相手として「ひらめき」のヒントを授けていた
  • 各チームには「メンター」と呼ばれる担任スタッフが1名つく。メンターはおもに大学生が担当し、5~6人の参加者を受け持つ
  • 真剣に取り組む参加者のようす。納得のいく作品完成に向け一生懸命。チームメイトと話し合う姿も見られた
  • キャンプに参加する生徒には、色違いのTシャツとマフラータオルがプレゼントされる。ライフイズテックの「仲間意識を高めてほしい」との願いをこめた工夫のひとつ
 中高生向けのプログラミング教育事業を展開するライフイズテックは夏休みの期間中、全国の有名大学などを会場に、中高生のためのIT・プログラミングサマーキャンプ2017を実施している。7月26日には、衆議院議員の小泉進次郎氏が東京大学で行われているサマーキャンプを視察。中高生らのいきいきとしたようすを見学した。

 ライフイズテックは、中学生と高校生のためのプログラミング・ITキャンプ、スクールを展開している。iPhoneやAndroidのアプリ・ゲーム開発、プログラミング、デザインなどの最新IT技術を学ぶことを通じて、創造する力と「つくる技術」を習得する機会を提供している。2011年の活動スタート以来、2016年には国内外からのべ1万5千人以上の生徒がスクールやプログラムに参加してきた。

ライフイズテックサマーキャンプ2017 東京大学 本郷キャンパスの福武ホールでのようす
東京大学 本郷キャンパスの福武ホール サマーキャンプ2017の会場のひとつ

 プログラムの中でも、毎年夏に行っている「サマーキャンプ」の人気は格別だ。2017年はゲーム、デザイン、プログラミング、アプリプログラミングのほか、「Maya」で3DCGを作るコースや写真の加工、動画を作成するコースなど、いまどきの中高生の興味関心に応える全17コースを用意。参加者らはコースごとのチームに分かれ、仲間とともにキャンプでの日々を過ごす。

各チームには「メンター」と呼ばれる担任スタッフが1名つく。メンターはおもに大学生が担当し、5~6人の参加者を受け持つ
おもに大学生が務める「メンター」。お兄さん、お姉さんとして親しみやすい若者たちだ

 サマーキャンプ会場のひとつである東京大学では、7月24日から28日まで5日間のプログラムを開催中。7月26日は109人が参加し、チームメイトと作品の協創に勤しんだ。いずれのチームにも「メンター」と呼ばれる、おもに大学生のサポーターが付き、開発のヒントの提供や良き相談役を務める。コースごとにライフイズテックオリジナルの説明資料も配布されるため、初めての参加でも支障はない。

イギリスの高校2年生である瀬口杏夏(17/写真右)と中学2年生の中馬慎之祐さん(14/写真左)と小泉進次郎氏(写真中)
中馬慎之祐さん(写真左)、瀬口杏夏さん(写真右)、小泉進次郎氏(写真中)

 ライフイズテック広報によると、サマーキャンプに参加する中高生の6割はリピート参加者で、4割が初めての参加。イギリスの高校に通う17歳の高校2年生である瀬口杏夏(きょうか)さんは、夏休みを利用して海外からサマーキャンプに参加している生徒のひとりだ。ライフイズテックのメンバーや志を同じくする仲間が集う場として毎年の開催を楽しみにしており、視察に訪れた小泉進次郎氏にキャンプやプログラミングの魅力を笑顔で伝えた。

イギリスの高校2年生である瀬口杏夏(17/写真右)と中学2年生の中馬慎之祐さん(14/写真中)と語り合う小泉進次郎
「政界では若手若手と言われるけど…」と、ホンモノの若いパワーに圧倒され、感動したようすの小泉進次郎氏

 小泉進次郎氏は、過去に「アプリ甲子園」で優勝した経験も持つ中学2年生の中馬慎之祐(ちゅうまん)さんに「周りにもプログラミングを勉強している友達はいる?」と興味津々にたずねた。中馬さんは「あまりいないけど、(中馬さんが)プログラミングをしていると知って、面白そうだねって、参加してくれた友達が今日、来ています」と回答した。

Minecraftコースの中学2年生から、Minecraftについて説明を受ける小泉氏。明確な回答と解説に「説明能力が高いね!」と驚く場面も。何かを作る楽しみや今自分が行っていることを熱心に話すようすに、小泉氏は深い感銘を受けていた
Minecraftコースの中学2年生から、Minecraftについて説明を受ける小泉氏。明瞭な回答と解説に「説明能力が高いね!」と驚く場面

 プログラミングはまだまだ一部の子どもだけが興ずるもの、と思う保護者も多いかもしれない。サマーキャンプを視察するまでは小泉進次郎氏も同様の思いを抱えており、「3年後から小学校にプログラミング教育が導入されるということで、一度どのようなものか知っておきたかった」ことから、今回の視察を実現。「この子たちが日本の未来を背負っていくんだよなあ」とつぶやきながら会場を歩き、「(プログラミング教育の意義を)骨で感じた」とコメント。実際にアプリ開発や3DCG制作を体験したことから、プログラミング教育は創造性(クリエイティビティ)の向上だけでなく、チームビルディングにも役立つのではと、プログラミング教育への行政や社会的な認識を向上させていけたらと前向きな姿勢を見せた。

真剣に取り組む参加者のようす。納得のいく作品完成に向け一生懸命。チームメイトと話し合う姿も見られた
納得のいく作品完成に向け一生懸命

 ライフイズテック代表取締役CEOの水野雄介氏は、「人間は進化の歴史」だと、「ライフイズテック」に込めた思いを語る。水野氏はさらに、「日本はものづくり意識が高い国」とし、創造性を育むのに恵まれた環境にあると指摘。そういった環境や、サマーキャンプのような仲間と出会える「場」で養える創造性やチームワークは普遍的なもので、どの職場や場面でも求められると説く。サマーキャンプやプログラミングを通じたチームでのものづくりが、子どもたちの学びを促進する場になってくれれば、と中高生向けのプログラミング教育活動を牽引してきた立場から、これからのプログラミング教育にさらなる期待を寄せた。

 2017年のサマーキャンプ申込みはすべて締め切っている。しかし、7月27日現在は10月スタートの秋学期Life is Tech ! Schoolの申込みを受け付けている。
《佐藤亜希》

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