保護者7割、教育にお金「かかり過ぎる」…ピークは中3の月2万5,900円

 保護者の約7割が「教育にお金がかかり過ぎる」と感じていることが、ベネッセホールディングスが10月26日に発表した調査結果より明らかになった。学校外教育活動に支出する費用(月額)は、幼児から中学生にかけて増え、中学3年生の2万5,900円がピークとなる。

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 保護者の約7割が「教育にお金がかかり過ぎる」と感じていることが、ベネッセホールディングスが10月26日に発表した調査「学校外教育活動に関する調査2017」の結果より明らかになった。学校外教育活動に支出する費用(月額)は幼児から中学生にかけて増え、中学3年生の2万5,900円がピークとなる。

 「学校外教育活動に関する調査2017」は、3歳から18歳(高校3年生)までの子どもを持つ母親1万6,170人を対象に、ベネッセ教育総合研究所が3月に実施した。調査は2009年と2013年にも実施しており、8年間の経年比較を行っている。

 調査の結果、保護者の67.2%が「教育にお金がかかり過ぎると思う」と回答。子どもの学校段階別にみると、「幼児」59.7%、「小学生」64.4%、「中学生」77.6%、「高校生」75.0%。また、保護者の62.3%が「教育費の無駄はできるだけなくす努力をしている」など、2013年の前回調査に引き続き、教育費の負担感が重い実態が明らかになった。

 学校外教育活動に支出する費用の合計(月額)は平均1万4,500円で、8年前と比べて2,200円減少。学年が上がるほど減額幅が大きく、習い事の数を減らしたり、より費用の安い活動に変えたりするなど、工夫をしているという。また、学校外教育活動費を学年別にみると、幼児から中学生にかけて増え、中学3年生の2万5,900円がピークに達することがわかった。

 保護者のスポーツ活動・芸術活動に対する考えを聞いたところ、「運動やスポーツをするよりももっと勉強をしてほしい」が39.4%と8年前に比べて12.6ポイント上昇。また、「音楽や芸術の活動をするよりももっと勉強をしてほしい」が44.5%と8年前に比べて12.7ポイント上昇している。

 同時に「子どもの将来を考えると、習い事や塾に通わせないと不安である」は60.8%と、8年前に比べて9.1ポイント上昇している。また、「子どもにはできるだけ高い学歴を身に付けさせたい」が64.4%と8年前に比べて4.8ポイント上昇するなど、「スポーツや芸術よりも勉強」を重視する意識が強まっている。

 ベネッセ教育総合研究所は「先に公示された新しい学習指導要領では、変化が激しい社会を生き抜くために、多様な資質・能力を育成する必要が謳われています。子ども時代のスポーツや芸術の経験は、教科の学習だけでは補えないさまざまな力を育むと考えられます。子どもの経験に偏りが生まれないような配慮が必要でしょう」と指摘している。
《工藤めぐみ》

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