医学部入試に関する規範公表、性別や年齢による差別を禁止

 全国医学部長病院長会議は2018年11月16日、性別や年齢による入試差別を禁止とする「大学医学部入学試験制度に関する規範」を公表した。今後、規範を遵守しなかったと判定された大学医学部(会員)は、除名を含む処分の対象となる。

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 全国医学部長病院長会議は2018年11月16日、性別や年齢による入試差別を禁止とする「大学医学部入学試験制度に関する規範」を公表した。今後、規範を遵守しなかったと判定された大学医学部(会員)は、除名を含む処分の対象となる。

 全国医学部長病院長会議は、2015年に創設された2校を除くすべての大学医学部80校で構成される法人組織。東京医科大学の不正入試問題を受け、「国民から見て公平であること」「国民にとって良い医療人、医学者になりうる人材を確保すること」を勘案し、大学医学部入試制度に関する規範を提言した。

 規範では、性別や浪人年数(年齢)で一律的に判定基準に差異を設けること、および点数操作は不適切と明記。内部進学枠、同窓生子弟枠などの選抜にあたっては国民の容認が得られるよう公正に行うこと、推薦入試枠などを採用するには入試要項に試験内容を明記することとし、特定の個人だけの判断で合否判定をすることは不正あるいは不適切にあたるとした。学生の確実な確保のための地域枠については、性差で一律的に合否判定に差異をつけることは不適切となるが、そのほかの要件に関しては、社会に説明できる範囲内で、入試要項に明記すれば施行可能とした。

 今後、規範を遵守しなかったと判定された大学医学部(会員)は、全国医学部長病院長会議から除名を含む処分の対象となる。2019年春の入試でも不正、不適切事例が明白化した場合には処分の対象となるが、すでに2019年度の入試要項は受験生に発表済みで、全国医学部長病院長会議には調査権がないため、入試要項記載に関する不適切事例に関しては処分の対象にすることは困難としている。
《桑田あや》

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