小児科医にLINE相談、93%が子育て不安を軽減…横浜市が実証実験

 Kids Publicは2019年6月11日、横浜市「LINEで小児科医に相談事業」での実証実験の結果を公表した。利用者の93%が子育て不安の軽減を感じ、70%がサービス利用により病院に行かずに済んだと回答。利用者の不安軽減とともに医療現場の負担軽減も期待できるという。

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Kids Publicが運営する遠隔健康医療相談サービス「小児科オンライン」
  • Kids Publicが運営する遠隔健康医療相談サービス「小児科オンライン」
  • 小児科オンライン・小児科オンライン看護師相談の利用により、子育ての不安が減ったか
  • 小児科オンライン・小児科オンライン看護師相談の利用により、病院またはクリニックを受診せずに済んだことは何回あったか
  • Kids Publicが運営する遠隔健康医療相談サービス「小児科オンライン」
 Kids Publicは2019年6月11日、横浜市「LINEで小児科医に相談事業」での実証実験の結果を公表した。利用者の93%が子育て不安の軽減を感じ、70%がサービス利用により病院に行かずに済んだと回答。利用者の不安軽減とともに医療現場の負担軽減も期待できるという。

 「小児科オンライン」は、Kids Publicが運営する遠隔健康医療相談サービス。平日の午後6時から10時にLINEメッセージチャット、音声通話、動画通話のうち、保護者の希望する方法で小児科医に相談ができる。相談サービスであり医療行為ではないため、診断や薬の処方は行っていない。

 横浜市は2018年10月から2019年1月まで、港北区在住の0歳第一子を育てる家庭向けの子育て支援サービスとして「小児科オンライン」を提供。月・金曜日の午前11時から午後3時にメッセージチャットで小児科看護師に相談ができる「小児科オンライン看護師相談」もあわせて提供し、スマートフォンで小児科医に気軽に相談できる環境を作り、その満足度を評価する社会実証実験を行った。

 事業に参加した保護者は70名。事業終了時に質問紙調査にて、小児科オンライン・小児科オンライン看護師相談の利用により、子育ての不安が減ったかどうかを質問すると、「そう思う」49%、「どちらかというとそう思う」44%で、「どちらかというとそう思わない」7%を大きく上回った。なお、「そう思わない」という回答は0%だった。

 また、利用したことで病院またはクリニックを受診せずに済んだことは何回あったか聞くと、「0回」は30%で、「1回」33%、「2回」26%、「3回」7%、「5回」2%、「10回以上」2%。利用者の70%は、利用により病院に行かなくて済んだ経験があったと答えている。

 Kids Publicは今回の実証実験を通して、小児科オンライン事業が保護者の不安を軽減し、小児医療現場の負担軽減、不急の受診減少による医療費の適正化を同時に達成しうる可能性が示唆されたと分析。今後も、妊娠、出産、子育ての不安軽減に貢献することを目指し、自治体との連携を進めていくという。
《黄金崎綾乃》

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