大学入試英語成績提供システム不参加のTOEIC、文科省が対応通知

 文部科学省は2019年7月8日、各教育委員会や国公私立などに向けて、大学入試センターが運営する「大学入試英語成績提供システム」参加試験についての事務連絡を行った。システム参加を取り下げたTOEICについて、受験生が不利益を被ることがないように対応することを示した。

教育・受験 高校生
文部科学省
  • 文部科学省
  • 「大学入学共通テスト実施方針(追加分)運用ガイドライン」2019年度に実施され、2021年度大学入学者選抜において活用が認められる試験
  • 2020年度(2021年度入学者選抜)より導入される「大学入試英語成績提供システム」に参加予定の資格・検定試験概要(2018年12月時点の情報)
  • 文部科学省「大学入試センターが運営する『大学入試英語成績提供システム』参加試験について(周知)」
 文部科学省は2019年7月8日、各教育委員会や国公私立などに向けて、大学入試センターが運営する「大学入試英語成績提供システム」参加試験についての事務連絡を行った。システム参加を取り下げたTOEICについて、受験生が不利益を被ることがないように対応することを示した。

 2020年度から運用される「大学入試英語成績提供システム」では、高校3年の4月から12月の間の2回までの試験結果を大学に提供することを原則としているが、「大学入学共通テスト実施方針(追加分)運用ガイドライン」 にて一部の例外措置を定めている。経済的困難者や離島・へき地に居住・通学する者で一定の成績(CEFR B2以上)を有する者、受験年度に病気などでやむを得ない事情により受験できなかった者については、2021年度入学者選抜で高校2年時の試験結果を活用できる。

 2019年7月2日、「大学入試英語成績提供システム」への参加を予定していた資格・検定試験のうち、国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)がTOEIC Listening & Reading TestとTOEIC Speaking & Writing Tests(以下、TOEIC)の参加申込みの取下げを公表。文部科学省はこれを受けて、TOEICは「大学入試英語成績提供システム」には参加しないが、一部の例外措置の対象試験となっていため、2019年度に受験した場合に限り、例外措置にて活用できる試験として認めることを関係機関に通知した。

 今回の対応は、すでにTOEICを受験または予定していた人に配慮したもので、受験生が不利益を被ることないようにするとの考えに基づく。高校においては、TOEICの試験結果であっても「大学入学共通テスト実施方針(追加分)運用ガイドライン」で定める例外措置対象者が例外措置適用の申込みを希望する場合、大学入試センターが作成する手引きなどで定める手続きにより申し込むよう伝えた。

 また、「大学入学共通テスト実施方針(追加分)運用ガイドライン」を活用する大学において、入学志願者が不利益を被ることがないよう、大学入試センターから例外措置が適用されたTOEICの成績が提供された場合には、大学が定める方法(出願資格や加点など)により活用することを要請した。

 そのほか、日本英語検定協会が「英検 2020 2days S-Interview」について、受験対象を障害のある受験生に特化する方式とする旨を公表している。文部科学省は、システムへの参加要件を満たしている資格・検定試験とCEFRとの対照表の更新版を作成しており、Webサイトにも掲載している。

 参加要件を満たしていることが確認された資格・検定試験については、大学入試センターWebサイトの大学入試英語成績提供システム基本情報に概要を掲載。2020年度の実施スケジュールや検定料などを確認(2018年12月時点の情報)できる。
《黄金崎綾乃》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top