生徒の英単語力向上、音声を使った授業が多い傾向

 アルクが中学・高校の英語の先生を対象に行った調査によると、生徒の単語力が「とても上がった」と感じている先生の授業では、音声を使ったアクティブな授業が多いことが明らかになった。副教材の採用冊数は、中学よりも高校のほうが多い傾向にある。

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1年間での生徒の単語力の変化
  • 1年間での生徒の単語力の変化
  • 生徒の単語力が上がったと感じる理由
  • 授業中の単語学習の方法
  • 単語集の学習指示
 アルクが中学・高校の英語の先生を対象に行った調査によると、生徒の単語力が「とても上がった」と感じている先生の授業では、音声を使ったアクティブな授業が多いことが明らかになった。副教材の採用冊数は、中学よりも高校のほうが多い傾向にある。

 調査は、アルクのセミナー参加経験、情報誌「英語の先生応援マガジン」の読者である中学・高校の英語の先生を対象に行ったもの。有効回答者数は高校教師1,054人、中学教師161人、計1,215人。調査期間は2019年4月9日~5月8日。

 副教材の採用冊数は、中学よりも高校のほうが多い傾向にあった。特に、リーディング副教材、リスニング副教材、入試対策問題集の冊数が多かった。副教材を採用する際に高校の先生が重視しているのは、「生徒が取り組みやすいレベルである」61.5%、「音声がついている」56.5%、「テスト作成用ツールが提供されている」56.5%、「学習方法・手順がわかりやすい」54.2%など。中学校では、高校に比べると「生徒が取り組みやすい学習量である」ことを重視する傾向がみられた。

 生徒の単語力について、1年間で「とても上がった」10.1%、「やや上がった」58.5%と、約7割の先生が生徒の単語力向上を感じていた。生徒の単語力が「とても上がった」と回答した先生は、生徒が知っている単語が増えただけでなく、単語を“使える”状態になったことも理由にあげていた。

 授業中の単語学習方法を生徒の単語力別にみると、「英単語の和訳を見て(聞いて)英単語を声に出す(書く)」は、「単語力がとても上がった」63.2%、「単語力がやや上がった」50.2%、「(単語力が変化したかどうかは)どちらとも言えない」47.7%。「英単語を含む英文を音読する」「英単語をペア・グループなどで活動しながら学習する」についても、「単語力がとても上がった」は「やや上がった」とは約7ポイント、「どちらとも言えない」とは約15ポイントの差がついている。このことから、音声を使ったアクティブな授業で発音が身に付き、単語が使えるようになると考察される。

 単語集を使った授業や自宅などにおける学習(指示)について、「授業中に学習した(テストのみの場合を除く)」は、「単語力がとても上がった」79.0%、「単語力がやや上がった」57.0%、「(単語力が変化したかどうかは)どちらとも言えない」49.6%。「自宅学習の音声の使い方を指示した」は、「単語力がとても上がった」62.0%、「単語力がやや上がった」43.2%、「(単語力が変化したかどうかは)どちらとも言えない」28.5%だった。アルクは、単語集を採用する場合、授業中に生徒と一緒に学習し、自宅での学習指示も範囲だけでなく、使い方や音声の活用法を含めて支持することが使える単語力の習得につながるのではないかと分析している。
《外岡紘代》

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