休校で給食が食べられない子ども支援へ…国連WFP

 新型コロナウイルス感染症によって学校が休校となり、給食を食べられなくなっている子どもたちのため、国連WFPは支援に向けて準備していることを明らかにした。学校給食の栄養に頼る開発途上国の子どもに休校は壊滅的な影響を及ぼしているという。

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画像はイメージ (c) WFP_Gabriela Vivacqua
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 新型コロナウイルス感染症によって学校が休校となり、給食を食べられなくなっている子どもたちのため、国連WFPは支援に向けて準備していることを明らかにした。学校給食の栄養に頼る開発途上国の子どもに休校は壊滅的な影響を及ぼしているという。

 世界最大の人道支援機関「国連WFP」は、世界61か国の学校給食プログラムで各政府を直接支援し、政府が貧困層や脆弱な世帯向けの重要な社会的セーフティーネットを提供している。国連WFPが支援する学校給食プログラムは2018年、世界中で推計1,640万人の子どもたちに届けられている。

 国連WFPによると、新型コロナウイルス感染症のため、世界で3億2,000万人以上の子どもたちが学校休校により、学校給食が食べられなくなっている。多くは貧しい家庭の子どもたちで、食事を毎日の学校給食に頼っている。

 貧しい家族にとって学校給食1食分の価値は、世帯月収の約10%に相当。給食がなければ必要不可欠なビタミンや微量栄養素の摂取が守られないことになるという。

 国連WFP学校給食部長のカルメン・バルバノ氏は「このパンデミックは、世界中の学校に通う子どもたち、特に開発途上国の子どもたちに壊滅的な影響を及ぼしている」と指摘。「学校給食が唯一の適切な食事である脆弱な家庭の子どもたちにとり、この事態の展開は悲劇的なこと。私たちはオンライン学習に移行することはできるが、オンライン給食には移行できない」と話している。

 この状況を受け、国連WFPは各国政府や協力機関とともに、新型コロナウイルス感染症による危機の間、子どもたちとその家族が必要な食事と栄養を摂取し続けられるよう模索。学校が休校している国々で、給食に代わる持ち帰り食材の配給、食料の宅配、現金または食料引換券の提供など、可能な代替案を精査しているという。
《奥山直美》

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