高校の主権者教育、実施率95.6%…内容は公選法や選挙の仕組み

 文部科学省は2020年3月24日、主権者教育(政治的教養の教育)に関する実施状況調査の結果について公表した。2019年度の高校3年生の実施状況をみると、「実施した(予定を含む)」が95.6%。具体的な指導内容は「公職選挙法や選挙の具体的な仕組み」がもっとも多い。

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 文部科学省は2020年3月24日、主権者教育(政治的教養の教育)に関する実施状況調査の結果について公表した。2019年度の高校3年生の実施状況をみると、「実施した(予定を含む)」が95.6%。具体的な指導内容は「公職選挙法や選挙の具体的な仕組み」がもっとも多い。

 調査は民間企業に委託してオンライン調査として実施。対象は、国公私立高等学校等(特別支援学校高等部、中等教育学校を含む)と全都道府県・指定都市教育委員会。国公私立高等学校等は対象となった1,587課程のうち1,299課程が回答している。

 2019年度に第3学年に在籍する生徒の3年間における主権者教育実施状況は、「実施した(予定を含む)」95.6%。国公立・私立の内訳をみると、国公立は実施率98.0%と、私立89.8%より高くなっている。実施していない学校について、国公立は特別支援学校が多く、私立は通信制課程が多い傾向にある。

 取組みの内容(予定を含む)について、実施した教科等は「公民科」が74.4%。具体的な指導内容は、「公職選挙法や選挙の具体的な仕組み」が84.6%、「模擬選挙等の実践的な学習活動」が47.3%、「現実の政治的事象についての話し合い活動」が34.4%など。指導にあたっての連携状況は、「連携していない」が48.2%で、約半数がなんらかの機関・団体と連携している。連携した機関・団体では、「選挙管理委員会と連携」42.7%がもっとも多く、そのほかは「地方公共団体と連携」6.8%、「関係団体・NPO等と連携」4.9%、「議会事務局と連携」3.2%など。

 第3学年に在籍する生徒の各学年時における実施状況は、第1学年(2017年度)が68.7%、第2学年(2018年度)が65.4%、第3学年(2019年度)が84.3%。指導の時間数は、いずれの学年でも「2~4時間」が6割近くを占めている。また、第3学年において、41.9%が参議院選挙を題材とした主権者教育を実施していた。

 教育委員会による支援について、教育委員会の89.4%が2018年度に「学校に支援する取組みを行った」と回答。具体的な取組内容は、「教員等に対する研修の実施」50.8%、「教員用指導資料や事例集等の作成・提供」28.8%、「授業で利用するパンフレット等の作成・提供」20.3%、「その他」49.2%。2019年度についても、86.4%が「学校を支援する取組み(予定)がある」と答えている。

 文部科学省は今後、調査結果を踏まえ、学校や教育委員会における特徴ある取組み、副教材を活用した授業事例等を収集。また、都道府県・指定都市教育委員会に会議等を通じ、取組みや事例を共有・周知するなどして、各学校や教育委員会における主権者教育の推進を図っていくという。
《黄金崎綾乃》

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