災害時の家族間の連絡、中高生は LINE 等のメッセージアプリが9割超

 栄光ゼミナールは2021年8月18日、小中高生の家庭の防災に関する調査結果を発表した。これによると「東日本大震災の話をしたことがある」保護者は9割超で、災害時の家族間の連絡については、中高生はLINE等のメッセージアプリが主流だということが分かった。

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「今年に入ってから、子どもに東日本大震災の話をしましたか」
  • 「今年に入ってから、子どもに東日本大震災の話をしましたか」
  • 「災害に関して考える時や子どもと話す時、どのような災害を想定していますか」
  • 「子どもと災害時の対応について話をしたことがありますか」
  • 「どのような機会に子どもと災害時の対応について話をしましたか」
  • 「災害時に備え、家庭で実践していることは何ですか」
  • 「災害時に【保護者から子どもに】連絡を取る際、どのような連絡方法を想定していますか」
  • 「災害時に【子どもから保護者に】連絡を取る際、どのような連絡方法を想定していますか」
  • 「子どもと離れているときに災害が起こった場合に備え、学校以外の子どもの外出先(塾・習い事・学童保育など)の大人に対し、どのようなことを実践してほしいですか」
 栄光ゼミナールは2021年8月18日、小中高生の家庭の防災に関する調査結果を発表した。これによると「東日本大震災の話をしたことがある」保護者は9割超で、災害時の家族間の連絡については、中高生はLINE等のメッセージアプリが主流だということがわかった。

 9月1日の防災の日に向けて、栄光ゼミナールが小中高生の家庭の防災に関する調査を実施。調査は2021年7月14日(水)~7月28日(水)に「栄光ゼミナール」「栄光の個別ビザビ」「大学受験ナビオ」に通塾する栄光モニター会員の保護者を対象に行われ、小学1年生から高校3年生の子どもを持つ保護者376人の有効回答が得られた。

 「災害に関して考える時や子どもと話す時、どのような災害を想定していますか」(n=376、総回答数1,128、複数回答式)の質問には、小中高生の保護者の98.9%が「地震」と回答し、「地震」への防災意識が高いことがわかった。特に、「台風」「豪雨」「河川の氾濫」については昨年の調査よりも数値が増えており、近年発生頻度の高い災害への意識が高まっていることがうかがえる。

 「子どもと災害時の対応について話をしたことがありますか」(n=376、うち小学生165、中高生211、単一回答方式)の問いに対しては、小学生の保護者の88.5%、中高生の保護者の91.5%が「災害時の対応について子どもと話したことがある」と回答。さらに、「どのような機会に子どもと災害時の対応について話をしましたか」(n=339、うち小学生146、中高生193、総回答数788、複数回答方式)では、「子どもと話したことがある」と回答した保護者にそのきっかけを聞いている。その結果、「災害の報道があったとき」がもっとも多く、小学生の保護者も中高生の保護者も約7割にのぼった。小学生の保護者においては「学校や地域で防災訓練があったとき」も多く、46.6%だった。

 「災害時に備え、家庭で実践していることは何ですか」(n=376、うち小学生165、中高生211、総回答数1176、複数回答方式)の質問において、もっとも多かったのは「非常持ち出し品・家庭内での備蓄品を用意している」という回答で7割弱の保護者が実践していた。

 「災害時に保護者から子どもに連絡を取る際、どのような連絡方法を想定していますか」(n=171、うち小学生75、中高生96、総回答数516、複数回答方式)の回答で小学生・中高生ともに多かったのは「子どもの携帯電話にかける」で、76.0%にのぼっている。また、中高生の保護者では「LINE等のメッセージアプリを利用する」が81.3%ともっとも高く、小学生も昨年の26.3%から32.0%に増えている。携帯電話やスマートフォンが小中高生にも普及し、メッセージアプリが通話以外の連絡手段として活用されていることが見てとれる。さらに、「災害用伝言ダイヤル・災害用伝言版を活用する」と回答した割合はも昨年よりも増加傾向にあった。

 「災害時に子どもから保護者に連絡を取る際、どのような連絡方法を想定していますか」(n=171、うち小学生75、中高生96、総回答数422、複数回答方式)の問いに対しては、「保護者の携帯電話にかける」がもっとも多く、小学生・中高生ともに約9割にのぼった。「LINE等のメッセージアプリを利用する」に関しても、「保護者から子どもに連絡を取る」際と同様に中高生の保護者の割合が高く、81.3%だった。

 「子どもと離れているときに災害が起こった場合に備え、学校以外の子どもの外出先(塾・習い事・学童保育など)の大人に対し、どのようなことを実践してほしいですか」(n=376、うち小学生165、中高生211、総回答数782、複数回答方式)との質問に対しては、約8割の保護者が「災害発生時に避難が必要となった場合、適切に安全な場所に子どもを誘導してほしい」と回答している。

 また、「新型コロナウイルス感染拡大後、新たに実践した対策はありますか」(n=376、うち小学生165、中高生211、総回答数451、複数回答方式)には、43.6%の保護者が「衛生用品を非常用持ち出し品に追加した」と回答した。一方で、「新たに実践した対策はない」と回答した保護者も47.3%にのぼった。

 さらに、東日本大震災から10年という節目の年に「今年に入ってから、子どもに東日本大震災の話をしましたか」(n=376、うち小学生165、中高生211、単一回答方式)という質問もしている。これには、「10年の節目を機に、子どもに話した」という保護者が約1割で、「今年に限らず、子どもに話す機会をつくっている」がもっとも多く、これまでに子どもに東日本大震災の話をしたことがある家庭は9割以上であることが明らかとなった。

◆「小中高生の家庭の防災に関する調査」調査概要
調査対象:小学1年生~高校3年生の子どもを持つ栄光モニター会員(栄光ゼミナール・栄光の個別ビザビ・大学受験ナビオに通塾する保護者)
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年7月14日(水)~7月28日(水)
回答者数:376人(小学生保護者 165人、中高生保護者 211人)
《安藤里恵》

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