【e絵本】色と質感たっぷりの絵本アプリ「しろくん」

 色の変化が目に楽しい絵本アプリ「しろくん」が、スイスイ社より発売されているiPhone対応、170円。物語とゲームがセットになっており、日本語と英語の切り替え機能もついている。

趣味・娯楽 その他
しろくん
  • しろくん
  • しろくん
  • しろくん
  • しろくん
  • しろくん
 色の変化が目に楽しい絵本アプリ「しろくん」が、スイスイ社より発売されているiPhone対応、170円。物語とゲームがセットになっており、日本語と英語の切り替え機能もついている。

 物語のアイコン「よむ」を開けば、真っ白なキャラクター「しろくん」が登場。行く先々で触れたものの色に染まり、色変わりするストーリーが展開される。絵柄は一見なんでもない風だが、しろくんの歩く色の世界は、よく見ると質感たっぷり。登場するイチゴやワニなどは、それぞれに計算された色ムラで表現されている。

 「色の塗り方だなんて、そんな細かいこと」と侮るなかれ。子どもの目は、一瞬にして鋭く絵を読むのだから。イチゴ一つにしても、表面の凹凸は何を表すのか、触ったり食べたりしたらどんな感じなのか、多くのことをほとんど瞬間的に、本能的に読み取る。塗り方はいわば絵の「スキ」であり、大人が小説の行間を読むように、子どもはそこからも物語世界を膨らませていくのだ。この重要な要素の一つが、「しろくん」にはちゃんとある。

 安易な流し込みでない、手間のかかった絵には、想像力のヒントが眠っている。成長過程の子どもたちの心を、そんな絵で耕してあげてほしい。
《てらしまちはる》

てらしまちはる

ワークショッププランナー/コラムニスト/絵本ワークショップ研究者。東京学芸大学個人研究員。2022年3月に単行本『非認知能力をはぐくむ絵本ガイド180』(秀和システム)を刊行。絵本とワークショップをライフワークとしている。アトリエ游主宰。

+ 続きを読む

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top